第2話「ガリガリ君」

夏の暑さも盛りの某日、オレは小西と一緒の通学の帰りに、小西にガリガリ君を奢ろうと思っていた。


「よう小西、今日はお前にガリガリ君を奢るぜ」


そう言われて小西は少し驚いた表情を浮かべて


「むむぅ!どうしたってんだ?まぁ好意は素直に受けるが。ありがとよ」


と言って、意気揚々と2人でコンビニまで歩いた。


そしてコンビニに到着。


「やぁやぁ小西くん、どれでも好きなガリガリ君を選びたまえよ。とはいえガリガリ君リッチはダメだぜ。あれは高いからな」


「ふふふ。ありがとうよ」


小西は嬉しそうだ。


オレは小西のガリガリ君とオレの分を含め2つのアイスのお会計を済ませて、外に出た。それを小西に手渡してアイスをコンビニの表で2人で食べた。


「夏のアイスの美味さときたら犯罪級だぜ。なぁ大東」


「だなぁ。この美味さのためなら犯罪だって犯してしまいそうだ」


「それにしてもガリガリ君を奢ってくれてありがとうよ。気まぐれなのかもしれないが、とても嬉しいぜ」


ふふふ。オレはお前の優しさを知っているからな。これはその恩返しなのだ。お前には、何故今日ガリガリ君を奢ったかの理由を伝えることはできないがね。


おや?小西が何やら気にしている。


「うん?あれ、これひょっとして!当たってるかもしれない!棒に何か書いてあるぜ!」


「おぅ、ツイてるなぁ。当たりが出たらもう一本貰えるからなぁ」


「はは、当たっちまったぞ大東。もう一本食べられるぜ」


「しかして小西、その当たり棒はオレにくれるんだよな?オレの金で買ったガリガリ君だから、当たり棒の権利はオレに属するよな?」


「え!?」


2人はしばしの沈黙に包まれた。




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