第11話 『父』 その1
ちょっと脱線いたしますが、亡き父の場合を少しお話しいたしましょう。
父は、大正中期の生まれで、森繁久彌さまより、少し年下というあたりです。
名高い森繁さまと並べるのは失礼かと思いますが、父が満州にいた時代、時を同じくして、森繁さまが放送局にいらっしゃったようですから、その放送を聴いていた可能性が高いです。
『森繁さんがまだ生きてるから。』
とか言っていたような気もしまして、なんとなく、こころの支え的なところがあったのかもしれません。
それは、実は、まるで年齢の違うやましんとて、なんだかそうだった気もいたしますし、そうした方は沢山いらっしゃったに違いありません。
子供時代に見た、テレビドラマにおける存在感は抜群でしたし、NHKラジオの『日曜名作座』は、よく聴いておりました。(番組自体は今も続いております。)
さて、その大正生まれの父ですが、最後の数年は、やはり、いくらかのトラブルがありました。
まず、病気です。
人間、歳を取ると、次第にこの問題に直面することが多くなります。
いまの、やましんが、まさにそうなのですから。
つづく……
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