第8話 『衝突』

 やましんは、両親とは別居しておりましたが、両親側は、奥様を連れて同居してほしい。


 家事もしてほしい。


 老後の面倒も、もっと見てほしい。


 そう思っていることは、よく分かっておりました。


 しかし、奥様は、毎日深夜まで残業するのがあたりまえ(本人は好きだったらしい。)でありまして、とてもじゃないですが、うまく折り合うはずがございません。


 やましんがしっかりしないからだ! と、親からは(特に母からは)責められておりましたが、こいつを説得するのは、非常に困難であります。


 奥様側も、仕事に関しては、妥協する考えはないようでした。


 さらに、奥様とやましん自体が、うまくゆかない状況がございました。


 母は、様々な不満を自ら抱えておりました。


 まず、孫ができない事。


 奥様が、実家をひいきにして、嫁ぎ先を顧みない。


 仕事ばかりで、親を見る気がない。


 という、やましん側に対する不満の数々。


 さらに、ご近所に対する不信感。


 たとえば、近所の子供たちがボールを庭に打ち込む。


 ボールが足に当たって、けがした。(最初は、近くに落ちたと言っていたのですが、いつのまにか、ケガに発展しておりました。事実関係は不明、誰も見ていないから。)


 というあたりは、学校やら警察やらにも訴えておりましたようです。


 つまり、母のお姉さまと、同じようなことを行っていたわけです。


 ただ、かなり昔から、いろいろと摩擦があったことは事実ですが。


 父の、妹様が、過去に援助したお金を返さない。(援助していたことは事実。ただ、金額が次第にどんどんと、大きくなりました。)返還請求の電話や手紙を、再三やっておりました。ただ、父が生きているうちは、遠慮していたらしいのですが、亡くなった後、俄然激しくなりました。


 近所のおうちから雨水が入り込む、と、裁判所に仲裁の申し立てをしようとしても、おりました。


 それは、受け付けないでほしい、と、やましんは、裁判所に申し出たりもいたしました。(この件は、途中で、母が止めたようです。)


 やがて、やましんの奥様のお母様が、自分の土地財産を狙っている。(なんで、そう思ったのかは、よくわからない。そもそも、そう、たいしたものではありません。)と、主張し始めます。


 こうした、本人にとっては『事実』を、(言われた方からは、一部は別として『妄想』と思われる。)各方面に訴え、また、親戚中に電話して、1時間でも2時間でも、聞いてやれば、訴え続けるのです。


 弁論はしっかりしてるので、関係のないかたは、結構真に受けてくれます。


 しかし、近隣、親戚関係などは、非常に困ったようでした。


 やましんは、その間に立たされることとなり、それはもう、胃がちぎれるくらいの苦痛を感じながら、とにかく、その時その時の対処をしてゆくこととなりました。


 おかげさまで、お仕事にも影響がないとは言えず、中央管理部所とかの、残業・休日出勤必須、などの部門や、遠方への転勤を、かたくなに断り続けておりました。(とはいえ、実際は、けっこう、遠くまで通勤しましたが。遠隔地への転勤はお断りしておりました。昇進するはずがありませんね。この先、中途退職に進んでゆきますが、それは両親が去った後で、自分がいささか、狂っちゃったためです。まあ、完全に、燃えかすになっておりましたわけです。まともに、お仕事するのは、無理だと、思いました。ま、むかしから、そうだ、と、おっしゃるかたも、ありましたでしょう。そのほうが、あきらめは、つきますが、なんで、採用したの? とは、なりますか?)


 また、体調にさらなる、異変が生じはじめました。(そのまえから、問題はありました。それは、深夜までの残業がふつうの、係りでの仕事が10年続き、そこから来るストレスは、なかなかのもの、で、ありました。外部からの苦情がたくさん来る係りであります。やましんがいた部所は、誰もやりたくない三大部所と、当時、いわれておりました。


 それは、まだ、母の問題が始まるいくらか前の時期の、はなしであります。


 ただ、やましんの体調不安定は、このあたりから始まっていたのです。


 まあ、性格とか、生育歴とか言い出すと、たいへんです。


 やましんは、ADSDであった可能性は、高いだろうと思っております。


 ただ、酒の席ではありますが、同期生で、ある先に昇進したかたが、気に入らない先輩を『あいつは、発達障害だから、おいだせー❗』と、叫んでいたのは、いささか、醜かったです。


 あれは、反省してほしいな。


 あ、覚えてないか。


 さて、話を戻しまして、こうなると、なかなか、仕事に、集中はできません。


 仕事中も、しばしば、あちこちから、苦情や、対応要求や、情報の電話が入ります。


 これは、お仕事ではない、私用です。


 公私混同だ、と、お叱りが入るかもしれない。

 

 しかし、ほってはおけません。


 『これから、たびにでるから』は、この一回には留まらなかったのです。


 こうした、仲裁のような立場は、非常に難しいものです。


 双方から、『おまえは、あっちの味方をするのか?』


 『おまえがしっかりしないからだ。』


 『あなたが、はっきり言わないからだ。』


 そのほか、もろもろ・・・・・


 と、疑われ、非難され、説明やら対処を求められ、説明し、さらに謝罪しに回り、謝罪で済むと思うな、対応せよ、中には、親戚からは、母を隔離せよ、どうやっても構わないから・・・・・などなど・・・・・う====ん。


 そうは言われましても、これは、難しいのであります!


 人権という問題も、実際にあります。


 簡単に、拘束などできないのです。


 しかし、母に攻撃されてる方は、それでは、納得できますまい。


 という状況に、次第に、深く、追い込まれて行ったわけであります。


 なるほど、母のお姉さまの面倒を見ていた妹様が『周りは、みな、あんたが悪いと言うが、実際がいかに大変か、誰も分かってくれないんだ。』と、常におっしゃっていたことが、よくわかると言うものです。

 

 介護にしても、いじめにしても、調停役というものが、いかに恐るべき困難な役割なのか。


 これは、ほんとうに、おして、知るべし、であります。


 批判するのは簡単なのですが、対応する人は、非常に難しい立場に立たされることになります。


 ただし、家族の場合は、家族の介護などは『仕事』ではありません。


 お給料は、当然、ないわけなのです。(いくらか、場合によっては、手当てが出る場合があります。) 


 やましんは、使い果たして、やっと済んでしまったお話ですが(いや、自分と奥様がこれからなんですがね。子供がいないから、なおいっそう、どうなることやら。)、いま、現在、さらに、もっと、非常に追い込まている方々が、この世には、たくさんいらっしゃるはずです。


 それも、ぎりぎりを通り越し、仕事を退職するという選択に至り、削れるものは削り尽くし、もう、どうしようもない、そうした事態の方々が、多数いらっしゃるはずです。


 もうちょっと、なんとか、ならないものなのか?


 先進国なんでしょう?


 いや、そうではないのかも、しれません。


 落ち込んだ人たちを、あえて、助けないから、先進民主主義国なのかもしれないです。


 敗者の自由だから。 


 なお、突飛なお話ですが、ましてや、これが、世界戦争につながりかねない、なんていう場合の調停役は、そりゃあもう、たいへんでありましょうな。


 しかし、この場合は、相手が話しになるという、前提があります。


 お話が、あっちこっちに飛んでおりますが、しかし、この、『旅に出るから!』の電話が来た時は、その状況の、まだ、前半期にあたる時期でした。


 こに時期には、まだ、母には母の、計略のようなものがあったと、考えても良い気がいたします。


 いくらか、駆け引きのような部分も、あったかもしれません。


 父は、少し前に亡くなっておりましたので、確かに母には大きなストレスがかかっていました。


 それは、ほんとうに、心が痛むことです。


 そこのところは、ふがいない息子で、申し訳ないとも、思うのです。


 結局、一番、最終的な責任があるのは、やましんであることは、事実なのです。


 そこんところは、間違いがありません。


 そのうえで、あまりにも、いつも、くっついていたふたりですから・・・。


 さて、奥様は、あいかわらず、仕事をがんばっておりました。


 やましんは、その事自体は、支持していました。


 まあ、奥様の収入も、必要ではあったのです。(お金、要求したことは、ないです。扶養関係はなかったです。税金はきちり、払いますけど。子供のないひとは、一部の政治家さんから、悪く言われますが……)


 ただ、ちょと、毎日のように、深夜まで帰らないのは、やりすぎだよな・・・・とは、思ってもいましたが。


 しかし、これは、単純には、言えない部分があったに違いありません。


 つまり、奥様にも、相当のストレスがかかっていたであろう、からであります。


(このお話に関する関係の方のご了承はいただいておりません。大変微妙なぎりぎりの内容でありまして、歯切れが良くないのは、ご了承ください。場合によっては、削除などいたしますので。そこも、ご了承ください。)


 そこで、やましんは、母に関しては、結局のところ、お医者様などともご相談しながら、『入院』、という戦略を、時に応じて、使うしかありませんでした。



  ************   ************   つづく

  

                     ✡️ やはり、このおはなしを書くのは、危険ですね。墜落しそうです。少し、合間を開けて、それから、次回にいたしましょう。 

 

 🌃 シベリウス先生の『第4交響曲』バックに、苦しんでおります。


 解決不能なのか?


 いや、6番から7番に、光が見えるでしょうか。苦しんでおります。はい。   


 🔯 く、くるし、………たしけて、あ、もれる…………そりゃ、おてあらい、行け❕はやく!


 ✨ 純真なシべせんせいの、第6交響曲のしらべです。ただ、この世にひとつ、全てをゆるす音楽。

     

 助けてください。やましんは、はちゃめちゃであります。苦しいです。どうぞ。ゆるしを! 



   **************


 失礼いたしました。これは、深夜過ぎに、いつのまにか書いておりましたうわごとです。ときに、起こります。消すべきでしょうけれど、これもまた事実なので、醜いですが、そのままにしております。

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