第5話 病気がち

 母は、若い頃から、わりあい、病気がちでした。


 しょっちゅう、お腹が痛くなったり、頭が痛くなったり、気分が悪くて寝込んだりしました。


 そのたびに、近所のお医者さまに、往診をお願いいたしました。


 おばさま(姉)の旦那さんは、電力関係のお仕事をなさっていた、豪傑で、酒豪でしたが、『君のお母さんは、あまり長生きできないだろう』と、学生時代のやましんに、おっしゃってくださっていました。


 気を使ってくださいましたのでありましょう。


 しかし、実際には、おじさんより、母のほうが、長生きしました。


 やましんの結婚式の最中に、気分が悪くなった母は、『お父ちゃん気分が悪い』と、言い、ふたりで式場から退出してしまいましたが、これは、かなり、心配しましたが、奥さま側は、もっと、ビックリなさったのでしょう。


 あまり、例がないかもしれません。


 母の気持ちが、どこにあったかは、尋ねずに終わりました。


 そもそも、やましんは、独りっ子のあまちゃんでしたし。



・・・・・・・・・・・・・ つづく

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