第4話 『つながり』 その2
『あきふかし 地獄の鬼もお祭りや』
秋は、日本中お祭りだらけでしょう。
中には、かなり奇異なお祭りもあるようですが、地域の方には重要な意味を持つと言うことは間違いないことなのだろうと思います。
母の妹さんの住む地域でも、大きな山車の衝突を行います。
独特のリズムを刻みながら、その山車は進みますが、ぶつかり喧嘩になると、けが人が出ることも、過去、しばしばあったようです。
神事ではあれ、どうぞ、ケガがないように祈ります。
さて、母のお姉さまは、そういうわけで、ご近所様が泥棒に侵入すると主張して引きませんでした。
しかし、ビデオに証拠が残ったと言うことは、聞いておりません。
それでもおばさまは、地域の警察署だけでなく、県警本部にまで乗り込んで行ったということです。
このあたりは、やましんからすると、はっきりとした事実関係がわからないので、断定的なことは言えませんが、おばさまの地元も、その県内第2の都市ですから、立派な警察署があるわけですが、さらに県警本部にまで直に出向くと言うことは、いずれにせよ尋常ではないと感じさせます。
しかし、おばさまご本人にとっては、非常に重要な事だったに違いありません。
周囲は、その対応に戸惑ったことは間違いないです。
それは、その後、やましん自身にも、のしかかってきた問題でした。
『だて、ありえないでしょう?』
『おかあさん、そもそも証拠がないでしょう?』
と、いとこさまが言ったかどうかはわかりませんが、もしかしたら、そうした受け答えがあったら、実際のところ、どうも、行動をエスカレートさせた可能性があります。
それは、やましんが体験することとなったからですが。
おばさま(姉)の場合も、おばさま(妹)に対しては、どうやら、かなり攻撃的な行動を行っていたらしいのですが、やましんは、当初は、いささか他人ごとに終始していました。
おばさま(姉)は、当初は、非常に注意深く行動していたらしいふしもあります。
つまり、自分なりによく分かったうえで、動いていたと言う事です。
しかし、先に母が亡くなった後には、やましんのことも、あまりよくわからなくなったようでした。
それまでは、時々会うだけでは、認知症的な感じは、受けていませんでした。
母の葬儀の時くらいから、『あら?』と感じたくらいですから。
最終的には、おばさまは、母の後を追うように亡くなりましたが、この、落差は、おそらくは、近くにいないと、変化が分からないもののようでした。
けれど、我が母の場合は、実際、最後まで、相当に、すさまじかったのです。
ただし、母は、認知症とか、というような診断が、最後までありませんでした。
主治医の先生を通じて、ある有名大学の名高い先生にも診ていただきましたが、その先生のご勇退と共に、母の診察は、うやむやなまま、終了になりました。
やましん自身は、まだそのころは、精神科の受診をしておりませんでした。
毎月、仕事を休んで、母を車に乗せてでかけました。
いまから考えてみれば、母と二人で過ごした、貴重な時間であったわけです。
いとこ様たちは、自営業でしたし、サラリマンのやましん以上に、時間の融通は難しかったでしょう。
もっとも、有給取りまくるやましんの評判が、よくなるわけも、ありませんでしたが。
ただ、その偉い先生からは、『認知症ではないと思う・・・脳の検査しても、何も、きっとでないだろう・・・・』とは、言われたのです。
当の母は、その診察なんか、なんの役にも立たなかった、ように言っておりました。
また、お医者様からは、もっと、やましんが『僕にまかせろ』と、ドンと構えなさい、というアドバイスもいただきました。
それは、非常に考慮すべき問題であります。
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つづく・・・・・(?)
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