第12話 ドアの向こう
今日は久し振りに六本木へ行きました。
昔勤務していた会社が六本木にあったので懐かしい街ではあるのですが、
その時とはお店や建物も変わっていてなんだか寂しい気持ちになりました。
それでも、今日行ったビルの別のフロアに、昔よく利用していた銀行がまだ入っていて
変わっていないこともあるわけで。
時々、自分はなんでこんなところにいるのだろうと思うことがあります。
悲観的な意味でもなければ肯定的な意味でもなく。
ただ単純に、不思議だなと思うのです。
どうして、なんの因果でこの場所のこの環境にいるのだろう。
別に六本木で働きたいと思ったわけではないのに
気がついたら”ここ”にいる。
ここを目指そうと決めて、選んできたわけではない。
でも、ここに至るまでの道筋は自分で決めてきた。
小山宙哉先生の漫画『宇宙兄弟』222話に、「夢のドア」というお話があります。
宇宙飛行士が若者たちに話をするシーンで、
人の人生には
いくつもの“夢のドア”がある
引用元:『宇宙兄弟』23巻
という台詞が出てきます。
大きな夢を持った時、その夢のドアがあまりに大きく
開けられるわけがない、と諦めてしまう。
でも、大きなドアがあるのではなくて、小さなドアがいっぱいあるだけだ、と。
そしてその小さなドアを開けるたび
君らの夢がひとつずつ叶っていくのがわかるはずだ
君らには
そのためにやるべきことがある
手探りでも何でもいい
意地でも次のドアに手をのばし続けることだ
そんなことしてる間に――――
気付いたら
宇宙遊泳とかしてるかもよ?
引用元:『宇宙兄弟』23巻
一言で言うなら夢を諦めないということなのですが
このドアのたとえと「気付いたら」というのが非常にしっくりきたので
とても印象に残っています。
目の前にたちはだかる壁を越えたりドアを探して開けたりして
それをずっと続けていると気がついたら思ってもみなかったところに出ている。
それが抱いていた夢の先かもしれないし、全く違うところかもしれない。
いつかは目指すところに辿り着くかもしれない。
大事なのは、進むこと。
目標達成のコツとしても、大きなゴールを決めて、そこまでの間に
小さなゴールを決めるというのがよく言われます。
きっちり計画的に開けると決めていた小さいドアでも、
手探りしていたら手がドアノブにぶつかっただけでも、
取り敢えずは開けないより開けた方が良いはず。
私が今いるここは、大きなドアの先にあると思っていた世界ではないけれど
都度小さなドアを開け続けて辿り着いた場所で、
振り返ってみれば叶わなかったことばかりではない。
一気に大きなドアを引き開ける力は持っていないし
目的地に直結できるどこでもドアも無いけれど、
だからこそこの先も、小さいドアを開け続けていくしかないのだろうと思います。
それがいつか、気がついたら目指していた場所に立っていた、ということになるように祈りつつ。
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