第10話 保育園の朝
通勤路に保育園がある。通勤するタイミングによってはちょうど通園時間と被るようで、お母さんに連れられてちびっこたちが登園してくる。
その保育園の前には警備のおじさんが立っている。警備会社の方なのか園児の父兄なのかシルバー人材センターの方なのはよくわからないが、蛍光テープの貼られたベストを着て帽子を被り、誘導ライトを持っている。
その方が、いつもちびっこの姿が見えると遠くから「おはようございます」と声をかけ、そして彼らが保育園の近くまで歩いてくるとわざわざ屈んで子供と目線を合わせて「おはよう」と声をかけ直すのを見るのが、なんとなく好きだ。
ラッシュ時はもはや屈伸運動のように結構なペースで立ってはしゃがみを繰り返すことになるのだが、労力を厭わずそうしていらっしゃる。
子供の中にはわーっとかけよってそのまま抱きついている子もいて微笑ましいのだ。
挨拶をしただけで声掛け事案になるような世の中だし、それも致し方ないご時世だけれど、やっぱり人は人と関わることで笑顔になるのだと思う。
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