　現在、フィリピンの首都マニラには「ビノンド」という東南アジア最古のチャイナタウンがあるが、もともとスペイン統治時代に異教徒である中国人を隔離するために作られたのがこのパリアン（中国語ではその地形的特徴から「㵎内」と呼ばれた）だった。当時スペイン植民地政府は２万人という数に膨れ上がった中国人の経済力を恐れ、彼らをカトリックに改宗させてこの収容区に住まわせ、様々な重税を課した。

　やがてこうした抑えつけによる反発から中国人がたびたび反乱を起こし、排華感情の高まりから１６６２年には中国人大虐殺も起きている。