車が『いる』

 日本人の皆さん、「車が」と言われたらどういう場面を想像するだろう?


 自分が車を運転しているとき、或いは駐車場で車を停めようとしているとき、周囲にあるを見て「なんであんなとこにんだよ……」とか言っている自分に気づかないだろうか。


 突然ですが、ここで日本語文法講座のお時間です。


先生「『いる・ある』の区別は何でしょう?」


真面目クン「はーい、先生! 『いる』は生物、『ある』は無生物に対して使われまーす!」


先生「はい、正解です……と言いたいところですが」


先生「生きていないものに対して『いる』と言うこともありますよね?」


先生「例えば、『ロボット』とか『車』はどうですか? 『あそこにロボットが』とか言わない?」


真面目クン「そ、それは……」


先生「どうしてだろうね(ゲス顔)」


 そう、「いる」というのはたまに、に対して使われることがあるのである。


 例えば先ほどの話で、「車」に対して「ある」を使う場合と「いる」を使う場合両方を比べてみよう。


 車が


・ガレージに車が。(完全に静止している車)

・私の家には車が。(モノ・所有物としての車)


 車が


・交差点に車が。(交差点内で停車・徐行する車)

・あそこに車がせいで駐車できない。(中に人が乗っていて動く可能性がある車)


 同じような理屈で、ロボットやドローン、船とかに対しても「いる」を使うことができる。


 いやはや、考えてみると色々ブンポーも不思議ですね。

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