第2話


可愛いだけじゃないんだよ ymmt




「そういえばね、この間、友達に祥彰のこと自慢したの〜」

『え、男に?』

「何言ってんの、女だよ笑」

『びっくりした、』

「もう私の祥彰が可愛いの〜〜〜!!!って言いながら自慢してたの、へへ」

『……ふーん、』

「写真も見せたらさ、皆が可愛い!って共感してくれて〜、、」

『…僕可愛いって思われてるの?』

「だって可愛いの事実じゃん〜」



彼女にお酒が入っているせいか、敏感な彼女が僕の機嫌が少し悪くなったことに気付いていない。ずっと話ばかり進める。

久しぶりに大好きな彼女と飲めたと思ったのに。

可愛いって言われるのはとても気に食わない。



『ねえ僕のどこが可愛いの?』

「え〜もうふわふわしてる所とかぁ、、、ぅん?」



呂律が回らない彼女。

可愛いと言われ続けたけど、やはり彼女にはかっこいいって言われたい。

可愛いしか言わない彼女に苛立ちを覚え、彼女の手を取り、お金だけ置いてそそくさに自分の家に向かう。



「ちょっと〜、、祥彰〜、?」

『うるさい』

「ねぇってばぁ、、!」



家に着くなり彼女をソファに突き飛ばす。

そして彼女の上に乗って問い掛ける。



「ちょっと、何するの〜、」

『…ねえ』

「…ん?」

『俺のことかっこいいって思ったことないの?』

「……へ、?」

『かっこいいって思ったことないのかって聞いてんだよ』



まずい。口調が自分でも驚くほど変わった。

でもそれほど嫌なのだ。



「…そりゃ、たくさん、、ある、、けど、」

『けど何?』

「実際可愛いんだもん、、」

『はぁ………、』

「…、」

『あのさぁ』

「何、?」

『俺だって男なの、』

「知ってる、」

『可愛いって言われるよりかっこいいって言われたいんだけど。』

「ごめん、」



僕の態度があまりにも怖いと感じたのか、彼女の目には涙が浮かんでいた。

流石に苛めすぎたかな、と心に余裕を持てた所で彼女を安心させるように抱き寄せる。



『急に豹変してごめん、だけど僕が言ったことはほんとだよ。』

「…私もごめん、祥彰が可愛いって言われるの嫌なんて知らなかった、」

『これからは言わないでね?』

「わかった、でも言ったらどうなるの?」

『ん?こうなるだけだよ、』



彼女の上にいる僕は、そのまま彼女を押し倒す。



『このまま続き、する?』

「…可愛いから任せる」

『あ』

「狙ったよごめんね、好きなだけどうぞ」



__________可愛いだけじゃ、物足りない。

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