第104話12月11日俺の人間性たるや ひどいもんだわ

今日も早朝から部屋の整備

母の外泊のため、リハビリの資料のため、家の写真が必要

俺の服が散乱していること以外は片付けなくてはならないものが少なく、それなりに見通しがつく

病院へ向かう

多分、9月の下旬くらいから休みらしい休みがない

そもそもダブルワーカーゆえに

丸一日の休みはなかなかとれないのだけれど

これだけ長期間

全日拘束されているのはなかなかないこと

今日も、バイトは休みだけど朝、夕と請け負い作業が入っている

相手方も早急に必要だから俺に頼んでいるので

とばすわけにもいかない

こちらの事情を話せば考慮はしてくれるだろうけど

相手方が間に合わなくなるのも事実で

となると信頼はなくなるし

次回がなくなる

なかなか厳しいよね

そんな調子で

体調を回復させるタイミングが取れない一方

時間ができればやっておかなきゃいけないことが増えてく

一人で回すには限界があるなぁと思うものの

わかった顔で動き回るやつに介入されるのもしんどいよね

今、すごく良くしてくれている母の教え子一家のように

親身に動いてくれ

俺の心情も汲んでくれる人にはもう感謝しかないんだけど

正論じみたことを上からいうだけのやつはね

勘弁してほしいです

なんて、いろんなひとに助けてもらっての今なのに

俺の人間性たるや

ひどいもんだわ


色々な人にお世話になると

人生観や生活文化の違いがよくわかる

多くの人にとって入院は全てに優先する最重要事項なので

全てをそのためにつぎこむ

うちも、もちろんそうではあるのだけど

なんでもかんでも入院仕様にはしたくない、というか、できない

というのも

必死に切り詰めて切り詰めて買った服を

入院だからといってすり減らしたら

退院後、ここぞというときに着れなくなるかもしれないなんて

浅ましくも思ってしまうから

なら病院に持ち込むなよなんだけれど

多少なりとかっこつけたいという母の気持ちも分かるしね

そういう気になれたというのが嬉しいし

なので

オシャレ着を持ちこんでリハビリするけれど、着古したくない

という、どうかしてしまっている感情が生まれる

そのあたり、理解されないだろうなあと

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