第102話12月9日 がんばっちゃだめだ
病室で 比較的 安定している母と話す
麻痺した手がかなり自在に動くになってきた様子
握力はまだ戻らないが 字は俺と遜色のない
裁縫に挑戦して欲しいところだけれど
どうかな
料理もある程度できれば
炊事洗濯はほぼ俺がやってもかまわない
本人ができることが多い方が 今後の精神衛生上良い
後は足だけと豪語する
確かにそう
難しいのは、確かに足だけなんだけれども
単純に歩くという作業が なんて複雑な 作業なのだろうかと改めて 反芻する
足を前に出して読み込んで次の足を送る とシンプルなシークエンスに
かかとだの膝だので微調整をして安全に直立 歩行を保つ
それがすごく困難
立つだけだったらすでに何とかなっている
歩くのもまあ杖をつきながらなんとか やれるようになりそうな予感
問題は 安全性
そして体力
そんなことを言っているけれども
実際どこまで 回復するのか
重い軽いはあるけど脳梗塞でしっかりと回復した人もいることだし
脳梗塞から回復してシャンと歩いているおばあさんを同じ病院で見た
そこにすがるのもおかしな話とは思いつつ
もう 小さな希望でもあればすがりながらすがりながら
それにしても教え子達がこぞってやってきて楽しませてくれるのが本当に嬉しい
口さがないこと言ってる奴らもいるみたいだけどそれはまあそういう時期なんだろうし
そういうこと言いたい奴もいるだろうし
とは思う
親が ちゃんと教育しなさいよとか思わなくもないけど
あんまりケンケンするのはやめようかな
出来る限り頑張ろうと 決意をしていいものなのかどうか
そもそもが 頑張って頑張って頑張った挙句
過労とストレスで 母は体の半分を失ったわけで
そしてそれを取り戻すためこの大騒ぎなわけさ
そこで頑張るっていうのはなんだか
出来損ないの喜劇ですよね
喜劇ですよ
ばかばかしいような気さえしてくる
だから 極力楽に構えて
頑張るけどね
ピリピリしないで
そもそも母が楽しく人生の終着までたどり着ければいいと言う のが俺の 人生観だったんだから
それを全うする
俺のその後はまあ どうでもいいんじゃねえの
なんとかなるし
ならなかったら その時考える
もう頑張ったところでね いいことがないのは親父も母もそうだったからね
実際俺もね そのうちの一人かもしれない
楽に 楽しいことだけやりながら だらだらとやるよ
頑張るのはおしまいかな
おしまいおしまい
と言い聞かせなきゃいけないというのが頑張りすぎている証拠で
頑張るというのが美徳でも何でもないのは分かっていながらもね
こんなこと喋りながらも もうすでに頭痛いしね
困ったものです
病院で今後のことを少し話す
部屋の整備
外出練習
外泊
外泊する日程をどうするか
大晦日・元旦に外泊したいという気持ちはわかるけれどその日の移動手段がない
年末年始を外して外泊するなら、むしろしない方が里心つかなくてよいともいう
それ以前に、部屋の整備をして写真を撮り、外泊可能かどうかの判断をしてもらわなくてはならないのだけど
その時間が取れずにいる
午前中は病院、午後は仕事、そのあとの遅い時間に部屋をいじっていると気分的に危険な落ち込み方をしてしまい、嘔吐
午前中に時間取れる時、がんばろう
がんばっちゃだめだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます