真実
月曜日になり、朝から奥村が家のチャイムを鳴らす。
誰も出ない。
そっとドアを開ける。
この外観には見覚えがある。
やはり、アイツは生きている・・・?
暗闇の中を歩く奥村。
足元に何かが通りすぎる。
足元を見ると猫だった。
足元の向こうに知子の姿が見えた。
「朝からすまんな。」
「いえ・・・」
外は雨が降り、川は荒れている。
「お前に姉はいるか?」
「いえ、いませんけど」
「そうか・・・」
知子には奥村が来た理由がわかっている。
知子自身、奥村に怨みがある。
知子がが死んだあと、両親は自殺。
カナや耕一には幻を見せていた。
「私をまた殺しに来たの?先生」
「何を言ってるんだ?心配してきたんじゃないか」
奥村は馬鹿馬鹿しいと言ってる。
「じゃあ、あの死体は何?」
知子が上を指す。
上には知子の死体がぶら下がっている。
奥村は悲鳴をあげ、腰を抜かした。
死体の下には遺書がある。
「読んであげようか?遺書を・・・」
奥村は首を左右に振り、悲鳴をあげる。
「私に10年前、レイプをして顔を見られたといい私のお腹、足、腕を切ったよね?痛かったよ、先生」
奥村は目をつぶって、首を左右に振る。
「同じ痛みを味あわせてあげる」
知子はナイフで奥村の足を切る。
ギャーといい、奥村は足を抑える。
次々と腕、お腹、足を切断していく。
「そして、自殺に見せかけてあんな風に吊り上げたのよね、苦しかったよ」
左右に振る奥村の首を絞める。
「本当に苦しかったんだよ」
断末魔の声で叫ぶ奥村。
「私だって苦しかったんだよ」
知子はその場で立ち尽くす。
虫の息をしている奥村を残して知子は部屋の向こうへ消える。
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