処刑そして世界の終焉

俺が牢に入れられてから、いったいどれぐらいの時間が経っただろうか。数日?数週間?それすらも分からない。サザナミは最後に会ったっきり、もうここには来ていない。ノヴァは今、何をしているのだろうか?


「いい加減····ここも飽きたよ····」


すると、足音が近づいてきた。いったい誰だろうか?


「神城仁!ここから出ろ!」


仮面を被ったその兵士は俺を牢の外に出し、どこかへ歩かせていく。


俺の最終地点は····学園の闘技場だった。そこには大勢の人が····そして、


「今から!神城仁····いや!魔王の処刑を始める!」


俺の目の前には····勇者がいたのだ····6人も。


「これで我々の悲願が達成される!」


勇者6人は俺に聖剣を向ける。


「貴様のせいで····多くの者が死んだ!」


赤の勇者····ノヴァ・スカーレットは俺に叫んだ。


「「「「「「魔王に裁きを!」」」」」」


聖剣が俺の体を貫こうとする。俺はそれを目を瞑って待った。


「これで全てが····終わる」


そうだ····魔王である俺が死ねば、世界は救われる。


もう聖剣は俺の体を貫く寸前だった。するとその瞬間、俺の頭に声が響いた。

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「すんなり死を受け入れるのか?」


お前は····アストラル····なのか?


「そうだ」


お前は確か····俺に命を託して····


「我は命を託しただけで、魂は微かに残っているんだ」


魂····?


「我は魂だけの存在····そしてその最後の力を使ってお前に話しかけている」


····そうか


「そして、お前に我の魂も全てを捧げる!」


だが····俺はもう····


「お前は····世界を救うのだろう?」


しかし魔王に世界は救えない!


「お前には····我の時間魔法があるだろう?」


····そうか····


「世界を救うか滅ぼすか····それはお前が決めることだ!」


俺は····俺は····「世界を滅ぼす魔王となる!」


「貴様の決めた道を行け!」

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「『魂解放アストラル・バースト』」


勇者6人は驚いたのか····距離を取る。


「何!?」

「『魂解放アストラル・バースト』」


闘技場が激しく揺れる。勇者はその振動に耐えれず、地に伏した。


「何が起こっている!?」

「『魂解放アストラル・バースト』」


俺が3回目の魂解放アストラル・バーストを発動すると俺の体に激痛が走る。


「光と闇····今ひとつとなりて『世界を救え世界を滅ぼせ』」


勇者6人以外の全員が意識を失い、倒れていく。


「俺が····いいや····我が····世界の破壊者だ!」


俺は運命には抗えない。俺は魔王としての運命を真っ当する。


「全てを巻き戻せ!『時間遡行リセット』」


その瞬間、世界が巻き戻る。そして俺は、最初に戻った。

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俺は師匠と別れた後に自らの聖剣を破壊する。これによって俺はこの後の人生全てを破壊した。


「これで、俺は完全な魔王としての運命を歩める」


だが俺には1つ捨てられない者があった。それは勇者の証だ。これは捨てようと思っても捨てれなかった。なぜなら既に俺の体に刻まれているからだ。


「いつか使う日が来るだろうか····」


恐らく、この時の俺にはまだ勇者としての心が残っていたのかもしれない。


「全ての魔族よ····我がもとに集え!」


この世界に存在する魔族は俺の魔力に寄ってくる。


「さぁ····世界の終焉を始めよう····」


俺は魔族と協力してラッシュ王国を滅ぼす計画を建てた。俺はまず····ラッシュ王国国王を倒す方法を考えた。


「あいつは強すぎる。我の魔力の3倍はあるな····どうしたものか」


とりあえず、当たって砕けろ作戦で攻めることにした。


「さぁ····行こうか」

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