入学試験
俺は入学試験を受けるためにグランクラン学園にやってきた。
「やっぱり、でかいな〜!」
この学園はとにかくでかい。俺が今日買った家の1000倍はありそうだ。
「え〜っと····入学試験の受付は····」
これだけ広いと、受付の場所まで行くのにも一苦労だ。そして、30分歩くと受付にたどり着くことが出来た。そして受付に挨拶しに行く。
「こんにちは!試験を受けに来ました!」
「分かりました。こちらの紙に名前と年齢などを書いてください」
俺は、渡された紙に必要事項を全て記入すると、その紙を受付に渡す。
「神城仁さんですね。ではこのバッジを付けて試験会場に向かってください」
「了解です!」
俺は試験会場である闘技場に向かった。歩いている途中に石像とかよく分からない物が沢山あった。また後で来て見よう。
俺は闘技場に到着した。そこには約10万人の人がいた。
「おぉ〜!めちゃめちゃ人いるな〜!それにしても闘技場もでかいな····」
俺が感動しているとアナウンスが流れる。
「それでは、試験を始めます!6列に並んでください!」
俺はアナウンス通りに右から3列目に並ぶ。俺の前の女の人は赤と黒のローブを纏っており、杖を持っていた。おそらく、かなり強い魔法使いだろう。
それから1時間後、前の人の番になった。この試験の内容は、100メートル先の的に魔法を当てるというもので、俺からすれば簡単な仕事である。
「始め!」
試験官の合図で前の人は詠唱を始める。
「炎の精霊よ··我に力を··そして炎の槍を精製し··敵を貫け!『
魔法使いが出した炎の槍は真っ直ぐ、的に向かう。
そして、的の真ん中に当たる。そして試験官が結果を伝える。
「さすが、次期炎帝だ。文句なしの100点だ」
「ありがとうございます」
試験官が言っていた炎帝というものはよく分からないが、次は俺の番だ。
「始め!」
試験官の合図で俺は魔法を使う。
「『
俺の魔法は素早く的の中心に当たりそして····轟音と共に爆発した。
「やばっ!やりすぎた!」
何をやりすぎたかと言うと、俺は自分の列の的とそれ以外の的全てを破壊してしまったのだ。もう少し抑えとくべきだったか····
「今、何をした?」
「何って、魔法ですけど?」
この試験管は見てなかったのか?俺は魔法を使ったんだが?
「違う!なぜ魔法文がない!」
「魔法文ってなんですか?」
「は?····ごほん!まぁ良いだろう····お前も満点だ。次の試験に向かえ」
少し引っかかることがあるが、まぁ良いだろう。最初の試験が魔法。ということは次の試験は····武術だ。
さっきと同じようにローブの女の人の後ろに並ぶ。
そしてまた、ローブの女の人の番が来た。試験の内容は、魔法を使わず試験官を倒せ。というものだ。使っていいのは、自分が用意した武器のみ。つまりこの女の人は杖を使って試験官と戦わなくてはならないのだ。
「始め!」
ローブの女の人は杖を構える。この持ち方は、槍術そのものだ。
「はぁぁ!」
ローブの女の人は試験官を圧倒するが、試験官も負けてはいない。試験官は、全ての攻撃をうまい具合に流している。
「ふっ!はぁ!」
ローブの女の人にだんだん焦りが見えてきた。なりふり構わず、連撃を浴びせる。しかし、その全てを試験官は流す。そして、時間切れとなってしまった。
「さすが、次期炎帝だ。魔法が使えなくともこれほどまで戦えるとは····もちろん100点だ」
「いえ····まだまだ未熟です」
ローブの女の人は、次の試験会場に向かったようだ。
「それでは次の人!構えてください!」
試験官に呼ばれて、俺は双剣を構える。
「始め!」
俺は合図とともに、試験官の懐に飛び込む。それに驚いた試験官は、バランスを崩す。そして、俺は試験官に切りかかる。だが試験官もそう簡単にはやられない。大きく後ろに飛び、距離を取る。
「ふっ!」
俺は、試験官が着地する瞬間に剣を投げる。
「なっ!」
さらに驚いた試験官はすぐにジャンプし回避する。俺はその隙を見逃さない。
「はぁぁ!」
飛んだ、試験官に剣を突きつける。
「参ったよ····まさか私がここまでやられるとは····」
「いえ、あなたも相当強いですね。あなたのあの反応速度はもはや人間技とは思えませんでした····」
俺は地面に刺さった自分の剣を拾い、しまう。
「あなたも、文句なしの満点だ。最後の試験会場に向かってください」
「ありがとうございました!」
俺は、小走りで最後の試験会場に向かう。
最後の試験は、魔力測定だ。内容は単純だ。ただ水晶に手を翳すだけで良い。あまり多すぎるといけないので、魔法を使って偽装しておいた。
これで試験は終わりだ。最後にあのローブの女の人と話をしたかったが、どうやら帰ってしまったようだ。
「俺も帰ろう。アリスたちが待っているはずだ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
だいたい30分くらいで家に着いた。
「ただいま!····ってなんじゃこりゃ!」
凄い、めちゃめちゃ凄い!朝は見ることが出来なかった内装を初めて見た俺は、ビックリして大声で叫んでしまった。
「「「「おかえりなさい!」」」」
4人は、どうやら玄関で待っていたようだ。
「仁の荷物は全部、部屋に入れて置いたから、整理は自分でやってね?」
「分かった····」
俺は自分の部屋に向かう。廊下を歩いているとたくさんのドアが見える。こんなに部屋があっても使わないだろうが····
「ようやく着いた!」
ようやく俺の部屋に着いた。俺の部屋は、他の部屋より少し大きかった。まぁ、もともとの大きさがとんでもなく広いからほぼ誤差はないんだけどな。だいたい10メートル×10メートルくらいだ。
「とりあえず、家具を全て出しておこう」
家具を全て出し終わった俺は、アリスたちに呼ばれリビングに向かう。そして晩御飯の準備をする。今日のご飯は、家を買った祝いとしてめちゃめちゃ豪華な料理だ。でかいエビの蒸し焼きにハンバーグ、コンソメスープなどなど、どれも俺の故郷を思い出させる食べ物だ。
「「「「「いただきます!」」」」」
俺たちはハンバーグをひと口、ぱくりと食べると笑顔になる。
「うまっ!」
「おいしいです!」
「おいしいですわ!」
「肉汁が溢れるのです!」
「うまい····です」
そして、すぐにご飯はなくなってしまった。俺たちはお腹がいっぱいすぎて、動けなくなっていた。
「さすがに····多すぎた」
「····そうですわね」
「そうだ仁····入学試験の方はどうだった?」
アリスが俺に今日の試験について聞いてきた。
「まぁ、完璧に近かったよ····」
「それは良かった····」
「それがどうかしたの?」
「仁が試験で落ちるなんて、絶対にないのですよ!」
今日のことについてたくさん話していると、お腹が落ち着いてきたので、各々が自分の部屋に戻った。
そしてベッドに寝転がった俺はそのまま目を閉じた。
(明日にはもう、合格発表、そして入学式か····)
少し楽しみにしながら俺は眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます