第2章 学園生活編

突然の学生宣言

「ふぁ〜····もう朝か····」


俺は、宿のベッドで目を覚ました。そしてその横では····


「ん〜····むにゃむにゃ····」


相変わらずマナが俺のベッドで寝ていた。めちゃめちゃ気になって寝れなかったんだが····


「まぁ、良いか····」


俺はマナに布団をかけ、今日の支度をする。そして、マナを置いて食堂に向かった。


「おはよう!」


俺は食堂で待っていた3人に朝の挨拶をする。


「おはよう〜!」

「おはようござい····ます」

「おはようなのです!」


まだ起きてこないマナを待ちながら、俺たちは世間話をしていた。すると、


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


マナの叫び声が俺たちのいる食堂まで聞こえてきた。


「どうしたの!?」


アリスがマナの部屋を覗くがそこにマナはいなかった。マナがいたのは····俺の部屋だ。


「な、なななんで!?仁の部屋に!?」

「まさか····仁さん?」


カーマが凄い顔で俺を睨みつけた。


「俺は何もしてないよ!頼む····信じてくれ!」

「まあ、今までそんなことしなかったからそこは信用します····」


何とか説得出来たようだ。だが、みんなは俺のことを少し警戒するようになった。


「こほん!今日は俺からみんなに伝えたいことがある!」

「何ですか?」

「俺は今日から学生になる!」

「ん?····もう1回言ってください」

「今日から学生になります····」


そりゃあ、みんな困惑するよな····でも、この世界の知識を蓄えるためにも学園には行っておきたい。さらに今は学園の入学期だ。


「行っても、きっと学生にはなれませんわよ?」

「どうして?」

「どうしてって····」

「分かりました。行ってきて良いですよ····」


俺が学園に行くことに対して、アリスが承諾する。


「よっしゃ!」


早速、学園に行く準備を俺は始めようとした。


「でも条件があります!」

「え?条件?」


俺の手がピタリと止まる。


「私たちに家を買ってください!」

「え?····分かった」

「本当ですか!?」

「まあ、金は有り余るほどあるからな····」


家を買っても俺の金はほとんど減らないからな。というか毎日、黒龍を倒して売ってるから多分この世界で1番の金持ちだろう。


「それじゃあ、みんなで見に行こうか!」

「「「「おー!」」」」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

俺たちは家を買うために不動屋さんに来ている。店員さんに見せてもらっているプリントに書いてある家はどれもこれも俺の手持ちの金額の10%しかない····


「これにしますわ!」

「賛成!」

「そうです····ね」

「これが良いのです!」


みんなが選んだ家は貴族用の超高級の家だ。俺の貯金なら余裕で買える。だが、めちゃめちゃ広い。俺たち5人が住むには広すぎる。


「さすがに広すぎないか?」

「ここを私たちの家にするのです!」

「ちょっと待て?流石に広すぎないか?」


まぁ、良いか。多分彼女たちにも考えがあるのだろう。きっと俺には想像も出来ないような考えが····


「····分かった!この家を買おう!」

「それでは、頭金を貰いますね····金貨100枚です」

「冒険者ポイントで払います」


こういう高い買い物をする時にはポイントを使う。それが冒険者の主流だ。


「それではプレートの提出をお願いします」

「はい····」


俺は言われた通り冒険者プレートを店員さんに渡す。すると、店員さんの手が震える。


「えーっと····頭金だけじゃなくてこの後の支払いも一括で出来ますが?どうされます?」

「じゃあ、一括でお願いします」

「それではこちらはお返し致します」


店員さんから冒険者プレートが戻ってくると、ポイントが減って、3,000,500,000,000ptになっていた。


「それにしても、まさか龍殺しドラゴン・キラーだったとは····」

「えぇ、まだ貧弱ですが····」


真龍殺しドラゴン・キラーは、龍を殺せば手に入る称号だ。この称号を持っている人は俺以外にも沢山いる。


「もしかして、竜殺しドラゴン・キラー真龍殺しドラゴン・キラーを間違われているのでは?」

「え?ドラゴン・キラーって2つあるんですか?」

「はい、龍と竜は違います。竜はまだ小型で倒しやすいですが龍はとても強力な魔物です」


俺はドラゴンといえば龍のことだと思っていたんだが····やはりまだ知識不足だな····


「すいません、俺は竜というものに会ったことがなくて····」

「これから、会うかもしれません····その時は違いを確認してください」

「ありがとうございました!」


俺たちは家の地図を貰って店を出た。そしてマイホームへ向かう途中。


「仁が知識不足なのは十分、分かったのです····」

「えぇ、常識知らずにも程がありますわ····」

「学生になって知識を手に入れてもらった方が····」

「知識が····貧弱····です」


みんなからの言葉が俺の胸に刺さる。


「つ、着いたぞ!俺たちの家に!」


大きな門の前に着いた。この門の先に俺たちの家が····


「みんなで開けようぜ!」


アリスたちと俺は門に手を置く。


「せーっの!」


俺たちは門を押す。その門はとても重たかったが5人なら余裕だ。これは、自動化しないといけないな····

開いた門の中の景色はとても綺麗だった。

丁寧に手入れがしてある芝生。とても大きな噴水。沢山の花。そして煉瓦を敷いて出来ている道を真っ直ぐ進むと、大きな家が見えた。


「わぁ!とても綺麗!」

「さすが、この国1の家ですわね!」

「大····きい····です」

「こんな家に住めるなんて····とても嬉しいのです!」


みんなが感動している間に俺は本来の目的に戻る。


「みんなは家の中の整理をしていてくれ!俺は学園に行ってくる!」

「「「「行ってらっしゃい!」」」」


俺は王国の地図を見て、学園に向かった。


30分後、俺は学園に着いた。


「ようやく来れた!この····グランクラン武法学園に!」


俺は学園に足を踏み入れた。

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