防具作成
「うぅ····ここ····は?」
起きるとそこは見知らぬ天井だった。
俺は、辺りを見回す。そして、ベッドの横に人影を見る。
「ここは病院ですよ」
そこには、椅子に座ったアリスがいた。
「アリス····俺はどれくらい眠っていたんだ?」
「半日間です。医者が、「おそらく、魔力の使いすぎだろう」と、言っていました」
俺が銀龍との戦いに勝利し、アリスが起きるのを待っていたときに体の限界が来てしまったようだ。
「というか、アリスは昨日の戦いの後、どのくらい寝てたんだ?」
「え!?え~····えっと~2時間くらい?」
アリスはあわてふためく。というか····2時間!?寝過ぎだろ!
「ま、まぁ!無事だったんですから良いじゃないですか!」
「それはそうだけど····」
アリスと話している内に、病室の扉が開く。そしてマナたちが病室に入ってきた。
「あ!ようやく起きましたわね!」
「おう!もう超絶元気だぞ!」
「本当に大丈夫····ですか?」
「おう!」
「心配しました····よ?」
「心配をかけたな····みんなありがとう。」
深々と、頭を下げる。
そして、アリスたちがこっそりと仁に告げた。
「実は、マナが一番心配していたのよ?」
「ずっと、そわそわしていた····です」
「何を話すにも仁の事ばかりだったのですよ!」
いつも強気なマナがそんなに俺のことを心配してくれるなんて····マナの意外な一面を俺は知ることができた。
「いったい、なんの話をしていますの?」
「秘密です!」
「私をからかっていますの?」
ちょっとした喧嘩をしているようだが、喧嘩するほど仲が良いと言うし、問題ないだろう。
「ところで、装備はどうなった?」
「「「「あっ」」」」
俺を含めた全員の声が綺麗にハモる。
「それじゃあ、今から行こうか!」
「「「「おー!」」」」
病院を無事に退院した仁は、アリスたちと共に、クレイ工房という所に向かった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
工房に着いた俺たちは早速、受付の人に話しかける。
「あの~、装備のオーダーメイドを頼みたいんですけど?」
「装備のオーダーメイドですか?では、依頼する装備の種類と、素材をこちらの紙に書いて、提出してください」
一人に一枚ずつ、紙をくれた。そこには素材やら、装備の種類やらを書くところが分かりやすく書いてあった。
そして30分後····
所々迷ったが、無事に描き終わることができた。
「よし!書き終わった!みんなはどう?」
「書き終わりました!」
「書き終わりましたわ!」
「書き終わった····です」
「書き終わったのですよ!」
「それじゃ、提出しに行きますか!」
無事に全員書き終わったので受付に向かう。
「書き終わりました」
そう言いながら俺は、全員分の紙を受付に渡す。
「分かりました。では、4人で銀貨200枚です。あと、素材の提出を!?」
紙を見ていた受付の人が突然驚く。
「黒龍と銀龍!?ほ、本当にあるんですか!?」
「はい····ありますけど?」
「見せてください!」
「分かりました····」
俺はアイテムボックスから黒龍と銀龍の素材を取り出す。
「まさか!鑑定するので少し待っててください。マスターを呼んでくるので····」
「やっぱり、こうなるのか····」
店員さんは、奥の部屋に入っていった。
それから、数分後。
やっぱり工房のマスターっていったらごっつい男の人かなと思いきや、アリスたちに劣らないとてもキレイな女の人が出てきた。ひとつ違うとすれば、胸がデカい。
「ほう····これが銀龍か······初めて見た」
「あの~、マスターというのは?」
「すまない、名乗るのが先だったな、ここのマスター兼職人の、クレイだ」
ほう····クレイというのか····絶対に覚えておこう。
「クレイさん、装備作るのに、どれくらい時間かかりそうですか?」
「1日はかかるな····それじゃあ、仕事にかかるから、また1日後に取りに来い」
「分かりました。」
俺とアリスたちは、店を出た。
「やっぱり、銀龍の素材は、貴重なんだな?」
「そりゃ、そうですわ····銀龍の素材があれば、国は1つ買えるのですわ」
となると····うん!測りきれない価値だね!
「てか、そんなものを身に付けてたら危ないんじゃないのか?」
「何のために、あなたがいるとお思いで?」
そういえば、俺にはアリスたちを守る義務があるんだった····
「約束しちゃったもんな~みんなは俺が守るって」
「あのときの威勢はどこへ行ってしまったの?」
あのときは、つい勢いで言ってしまったからな...
そんな話をしていると、いつの間にか宿に着いていた。俺は、みんなと晩ご飯を食べ、自分の部屋に戻った。
俺は、ベットに座った。
(あの力は、危険過ぎる····あれを本当に制御出来るようになるのだろうか?その為にも、今はあの力に振り回されないように自分を鍛えるしかない!)
そのまま、俺は眠りについた。
次の日、俺たちファイブナイツはいつも通りに依頼を終わらせた。
「報告も終わったし、これから工房に寄るか!」
「そうですね····もう終わっているでしょうか?」
「マスターの腕を見してもらおうかな~」
工房に入ると、店員の方から寄ってきた。
「お待ちしておりました。マスターがお呼びですので、奥の部屋に案内しますね」
そう言うと、部屋に案内してくれた。
「マスター!仁さんをお連れしました」
「分かった もう、下がって良いぞ」
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
そして、すぐに店員さんは部屋を出た。マスターは大きな箱を5つ持ってきた。
「それじゃあ、これが依頼の品だ」
「ありがとうございます」
「あと、あの銀龍と黒龍の素材の余った分も」
受け取った箱と銀龍と黒龍の素材をアイテムボックスに入れ、俺たちは工房を出た。
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