直の告白
いつの間に眠っていたのか、目覚めた時には外はすっかり暗くなっていた。
虚ろな瞳で隣を見れば、自分を抱き締めたまま寝息を立てる和明の姿があり、間近で見る彼の整った顔に少しばかりドキリとする。
「ん…か、ずあき…くん…」
心臓がはち切れそうな程ドキドキ言っている。
火照る顔を冷やそうと思い、ベッドから抜け出そうとするが、少し起き上がったところで自分の腰をしっかりと抱き締める腕に気がついた。
「ん~…先輩?」
腕の中で動く直に気がついたのか、和明がゆっくりと目を覚ます。
眠そうに目をこすりながら、また直を腕の中へと収めた。
「和明くん、もう起きないと…」
「今何時?」
「もう夕方だよ?」
「あ~…学校、サボっちゃいましたね」
「ほんとだよ。僕、生徒会長なのに…」
生徒会のみんなに悪いことをしたな、と思いながらも、こうして和明と過ごすことができた喜びの方が大きくて、あとで謝ろう、とまた和明の胸に顔を寄せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます