第18話 シロの能力

『青』の瞳になったシロ。

その姿を見たB&Bは今までにないほどに

驚喜の声を上げた。

「思った通り!

 いや、思った以上だ!!

 素晴らしい!」


そう変わったのは瞳だけではない。

さっきまで着ていた服は

B&Bの着ているものと

類似した風体になっていた。

また、髪の色も黒髪の毛先が

『青』に染まっている。


再びB&Bは手をかざし稲妻を走らせる。

その強さは今までとは比べ物にならないほど上がっている。

かなりの衝撃があった。

全身の毛がまた逆立ち、地肌がしびれる。

間接的ではあるがイデルは痛みを感じている。

それにも関わらず、

シロはそれを片手で制した。

―なんだか、きれいだ。

不謹慎ながら、イデルは

青い閃光に照らされるシロの横顔に

見惚れていた。


「よし、これからがお楽しみだ」

B&Bが体を揺らしつつ体に稲妻をまとわせる。

その動きが止まったと思った瞬間、

彼の姿はシロの目の前にあった。


掌底とともに繰り出された稲妻は

シロの腹をとらえた。

その時の衝撃でイデルは吹き飛ばされ

草原の隅に転がる。

次にイデルが見たのは

繰り出された掌底の腕を

彼女が掴み制止させていたところだった。


―僕はこんなにも飛ばさせたのに。

さほど広くない草原だが、10メートルは吹き飛んだだろう。

頑丈な体をこの時ありがたく思ったに違いない。

この衝撃の中で立っていられる彼らを見て

「…すごいや」

イデルはそう呟いた。


戦いはどんどん激しさを増していく。


掌底と掌底

蹴りと蹴り

拳と拳


ぶつかり合う度に、

二人を中心に放射線状に稲妻が走る。

地面を抉り、砂埃が舞う。

風圧で周りの木々も揺れ、

激しい葉音が騒がしい。


「じゃあ、これはそうだ?」

B&Bが再び掌底を繰り出す。

シロもそれに合わせて掌底を繰り出した。

お互いにぶつかり合うはずだった。

しかし、シロの攻撃は受け流され、

背後を取られた。

彼女が避ける暇もなく、

背後から首を掴まれた。


「ありがとう、楽しかったよ」

B&Bはシロの首に青い電気を流し込んだ。

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