第3話

「あのう、乃木花さん」

「真彩でいいよ」

「真彩さん、どこへ?」

「君の新しい家よ」

「というと?」

「神社。飛ばすわよ」


シートベルト、シートベルト


数時間後に、神社につく。

空宮神社とある。


「随分と、秘境ですね」

「うん、山奥だからね」

「参拝客は?」

「あまり来ないよ」

「来ないんですか?」

「あまり・・・ね」


真彩さんと並んで歩く。


「他の方は?」

「いないよ。私ひとり」

「ひとりで、切り盛りしているんですか?」

「昨日まではね」

「昨日まで?」

「今日から、1人増えるけどね」

1人?まさかね・・・

でも、一応・・・


「その1人というのは?」

真彩さんに、念のために訊いてみる・

「雄三くん、知ってて訊いてるでしょ?君だよ、その1人は」

やはりね。


「でも、どうして僕を?」

「私も君のいた施設の、卒園生だから・・・」


ありがちだな・・・

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