シロ先輩は私をただただ甘やかす
ユリシーズ
第1話 シロ先輩のお胸は極上枕
「ふにゃ~~~~~~」
のっけから奇声を上げて申し訳ない。だがこれは仕方のないことなのだ。なにせ枕が極上すぎるのだから。
目をつむり、後頭部に感じるふたつの幸せな膨らみだけに私の全神経を集中させる。
「はぁ、幸せ……♡」
「ふふふ」
目を開け見上げると、シロ先輩が口に手を当てて笑っていた。
今どういう状況なのか説明すると、私は体育座りしているシロ先輩の股の間に挟まり、背を預けていた。
シロ先輩の右腕は私をガッツリとホールドし、左手だけがシロ先輩の口に添えられている。
「シロ先輩?」
「ごめんなさい。あまりにもみいちゃんがかわいらしくて」
みいちゃんというのはシロ先輩だけが呼んでる私のあだ名だ。私の本名は猫山みすずって言うんだけど(あ、別に覚えなくていいからね)、その苗字と私の仕草が猫っぽいってことでみいちゃんと名付けられた。シロ先輩いわく、私を見てるとみいみい鳴いてる子猫が連想されるらしい。
まあそれはさておき、わざわざ言わなくてもわかるだろうが、私が極上すぎると言った枕はシロ先輩のおっぱいのことだ。
シロ先輩のおっぱいは大きすぎず小さすぎず(推定Dカップ)、その柔らかさは筆舌にしがたい。もしシロ先輩のおっぱいの柔らかさを再現した枕が販売されたらどれだけ高かろうが借金してでも買う自信がある。
私がシロ先輩のおっぱいの素晴らしさに想いをはせていると、私のおなか周りと後頭部にかかる圧力が急に増した。
「…シロ先輩。私をいきなりギュッと抱きしめてどうしたんですか?」
「んーなんとなく」
シロ先輩に抱きしめられていると不意打ちでこういうのが来るから困る。
別に嫌じゃないんだけど、むしろウェルカム!って感じなんだけど、私の心臓のドクドク音がシロ先輩にダイレクトで伝わっていないか不安だ。
「それはお互いさま」
確かに耳と後頭部に全神経を集中させてみると、シロ先輩のドクンドクンという心臓の鼓動がハッキリと——
「あれ、私心の声口に出してましたっけ?」
「ううん。でもみいちゃんがなにを考えてるかくらいわかる。だって——」
——私、みいちゃんのことが好きだから。
顔が見えない状態で、耳元でそんなことをささやくシロ先輩は、ほんとにずるいと思う。
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