第1話 能力

誰かが…僕を…呼んでいる…?そんなことをずっと考えていると頬に激痛が走った。

「いって!」

いきなりの激痛に僕は目を開けた…

「あっ、少し強く叩きすぎちゃった…」

目を開けてみるとそこには…黄色い髪に青い目、少し大きめの赤のリボンを付けた女の人が焦ったような顔で立っていた。

「えっと、誰ですか?」

とりあえず僕はそう聞くと、

「私の名前はクレア・ライト、クレアでいいよ〜。それであなたのお名前は?」

名前を聞かれたので僕も自分の名前をいった。

「僕の名前は海斗です。よろしくお願いしますクレアさん」

「よろしく〜。それと敬語じゃなくていいよ〜」

「わかった、クレア」

そうして自己紹介を終えた。






「それにしても、ここは一体どこ?なんだか僕の知らない所ばかりだけど…」

とりあえず僕はクレアに場所を聞いてみた。するとクレアはびっくりしたような顔をして、

「どこって、ここは夢想郷じゃないの」

夢想郷?なんだそこ、僕の知らない場所だ…そんな事を考えていると…

「もしかして、あなたこことは違う所から来たの?」

「多分…」

僕はそんな曖昧な答えしかできなかった…

「じゃあ今ここで起きていることも知らないのね…」

ここで起きていること?その事を聞こうとした時、いきなり爆発音の様なものが聞こえると同時に近くの村が火で包まれた…

「なんだ…これ…」

「これが今、ここで起こっていることよ。何者かはわからないけどこの夢想郷を乗っ取って自分だけの世界にしようとしているの。」

話についていけない、でもこの世界が危ないってことはわかった…そんな事を考えていると何人か武装した人たちが僕達を取り囲んだ。

「海斗は少し離れてて」

そう言うとクレアは武装した人たちに向かっていった。僕は言われたとおりその場から離れた…

「まったく私に戦いを挑むなんて馬鹿ね〜私は(力を自在に変える能力)を持っているのよ?」

そう言うとクレアは武装した人たちをあっという間に倒した、がまだまだ敵は大勢いた、しかもひときわ目立つ格好をした人まで現れた

「まったく、私の邪魔をしないでいただきたい、これでは我らの隊が負けてしまうではないか」

そう言うと武装した人たちの真ん中武装隊のリーダーらしい人がゆっくりと歩いてきた…

「あなたがこのグループのリーダー?」

クレアがそう聞くとその男は

「その通り、私がこのグループのリーダー、ゼロだ」

その言葉を聞いた瞬間にクレアは武装隊のリーダー、ゼロに向かって拳を放った…がそれよりも早くゼロがクレアに拳を放っていた…

「あなたの能力は力の底上げ…ですが、力を上げすぎると自分の体が壊れてしまう…」

「何でその事を…まさかあなたも能力者…」

クレアがそう聞くと、ゼロは不敵な笑みを漏らしながら、

「その通り、これが私の(ありとあらゆるものを分析する能力)だ!」

分析…つまりあいつはなんでも調べられるってことか…そんな事を考えていた時ゼロと戦ったのかクレアがボロボロの状態で近づいてきた。

「クレア!大丈夫か!?」

「私は大丈夫…それよりもあなただけでも…逃げて…」

そうしてクレアは倒れた…

「これで、ゲームクリアだ!」

ゲーム?あいつは今ゲームと言ったのか…人をただただ殴って、蹴って、それがゲームだと?

「なぁ、お前」

「何だ?」

「お前にとってのゲームはなんだ?」

「私にとってのゲームそれは弱者をいたぶることだ!」

それが、こいつのゲーム。弱者をいたぶるのがこいつのゲームか…

「つまんねぇゲームだな」

「なんだと?」

「そんなにゲームがしたいなら、俺が遊んでやるよ」 

Lv1

「ふん、ならば貴様も殺してやる」

「こい、本当のゲームを、教えてやる。俺の能力(Lvを変える能力)で!」

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異世界救済物語 やまやま @37082

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