第10話0 鮮血の死闘! ただしその鮮血は鼻から出る!!⑦

「……もう、だめぇっ♪」


 血液ゲージ残り10%、5%……。

 悪魔アハートヴァールが顕現させた、新たな魔軍(裸の女の子)の魅力の前に。

 私の、百合魔法少女の命の炎は、萌え尽きようとしていた(誤字じゃないよ!)。


 ああ、血が。熱が、抜け落ちていく。

 私は、真っ白な灰のように。ゆっくりと崩れ落ちて。


 こんなことなら。

 朝、レバーとか食べれば良かった。苦手だけど。


「ふふ、でも……。女の子の裸で倒されるなら、悔いはない、かな」


 百合魔法少女として。百合で戦い、百合ゆえに敗れる。

 ならば、この走り抜けた道に、後悔なんてない。


「……私は! 私が思うまま! 私が望むまま! 百合であったぞ!!」


 お父様、お母様。先立つ不孝をお許しください。

 宮野りりな、百合魔法少女マジカル☆リリィ。秋風まだ来ぬ川越水上公園にて。


 星となって墜ちる。


 ……百合魔法少女マジカル☆リリィ、完……


「って、だめだよマジカル☆リリィ! 忘れたのかい、君に掛けられた呪いを! 敗北を認めたら君は、ちん〇ん生えちゃうんだよ!?」


 わ、忘れてたー!? ステファニーの叫びに私、復活!!


「ま、負けてない! 負けてないしー!!」


 いや、死ぬよりはマシって気もするけどね? ちん〇ん生えても。


「思い起こせマジカル☆リリィ!! 君こそは人類の希望!! 君以外の誰が、エッチな百合キス乱舞で僕らのハートを萌やしてくれるというんだ! 世界を百合ん百合んにするために! 立て、負けるなマジカル☆リリィーッ!!」


「そ、そうね! 私以外の誰が! 合法的に(?)女の子何百何千の唇を奪えるっていうの? 皆に百合を届けるために! 私は戦わねばならないッ!!」


 ぐぐっと拳を握る私!


「……そなたら、百合キスが見たいだけではあるまいな?」


 うわ、ツッコんでくるね今回の悪魔。


 ともあれ、戦意を振り絞り立ち上がったのはいいけど。

 絶望的に血液が足りず。


「……きゅう」


 目を回して倒れる貧血な私。


 そんな私を受け止めたのは、柔らかおっぱいで受け止めたのは(ここ重要)、白ビキニの早百合だった。


「大丈夫よ、マジカル☆リリィ。あなたを、死なせたりなんてしない」


 すっごくシリアスな、ヒロインっ! って顔で。早百合は、私に微笑みかける。

 とうに立ち上がる力も失った私を、膝枕して。


「ねえ、私の血を……受け取って?」


 え? ちょっと待って、待ってってば。

 私、吸血鬼とかじゃないよ? いや憧れるけど。女の子の血を吸って回復とかしないよ?


「な、ナニする気!? ナニする気なの早百合!?」


 はい、エロエロな予感しかしませんね!!

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