第10話 鮮血の死闘! ただしその鮮血は鼻から出る!!⑥

 私の魔術兵装、黄金魔剣「百合魔法剣ホーリーラヴ☆キャリバー」は!

 悪魔アハートヴァールの眷属、水から創られたすっぽんぽんの美少女軍団を貫くことなく、動きを止める。


「しまった! 百合魔法少女最大の弱点を突かれるとは!?」


 はい、ステファニー解説よろしく!

 私は鼻血を抑えるのにせいいっぱいなので!(血液ゲージ45%)

 うわぁぁん、敵が全裸の女の子とか困るし! 目のやり場に!


「解説しよう! 宮野りりな、百合魔法少女マジカル☆リリィは! 淫乱ピンクのレズレズエロ魔神である! 女の子への愛情を力に変える彼女は、本能的に同性を攻撃できないのだッ!!」


 ちょっと待てぃ。その紹介には異議あり!


「なんなのよ、淫乱ピンクって!?(もうレズレズエロ魔神も否定してない)」


「ははは、何を言い出すんだい? ピンクの髪の女の子はエロい。エロゲ界の常識だろ?」


「……あなた、私がエロゲやると思ってるの?」


 14歳だよ? てか女の子だよ!?


 そこへ早百合、


「エロゲの女の子は、髪何色でもエロいと思うよ!」


 なんで知ってるの?


「とにかく、これはまずいわ! 男なら八つ裂きにできるのに!?」


「さらっと怖いことをいう娘だな!?」


 悪魔アハートヴァール、ツッコミ入れた後で勝ち誇る!


「ふははははは!! どうだエロ娘よ! そらそら、もっと裸を見て! 悶え苦しむがよいわぁっ!!」


 おのれ、なんて卑劣な攻撃!


 でも幸せ! ありがとうございます! ありがとうございます!!

 この女の子たちは水の彫像、本物の女の子じゃない。頭ではわかってるのに、わかってるのに!

 全裸にドッキドキです♪ 鼻血ぶしゃー♪(血液ゲージ35%。危険域!)


「こ、このままじゃマジカル☆リリィが! 何か手はないの、ステファニーちゃん!?」


 焦る早百合に、ステファニーは、


「手はある! 思い出してマジカル☆リリィ! 終業式のシュラムエント戦を!」


 はっ! そうだシュラムエント戦(第6話)! あの時もこんな感じだった!

 影の姿になり、人の体内に潜り込んで操る騎士級悪魔。

 クラスメートの女の子達を操る彼を倒すため、私はあの時……。


「そう、全ては百合だ! 百合こそが、君の最強の武器なのだッ!!」


「わかったわ、ステファニー!」


 この苦境を打開する手段、それは。


 百合!

 百合あるのみ!!


「百合キスで! 魔力を直接流し込めばいいのね!?」


 やったー! 女の子にキスしまくれるよ♪ じゅるり♪

 あ、よだれ出ちゃった。


「おい、なんだそのふざけた結論は!」


 悪魔の指摘に、私はびしっと! 凛々しく!


「ふざけてなんかないわ! 私は百合魔法少女!! 百合の力を、信じてみせる!!」


 さあ、百合キスタイムはっじまるよー♪


「覚悟なさい! てやぁぁぁーッ!!!」


 雄たけび上げて! 私は駆ける、駆ける、駆ける!


 蒼の魔軍、裸の美少女が振り下ろす槍斧ハルバードを、ぎりぎりで見切り、かわして!!


「ちゅっ♪」


 はい、やるコトはキスです♪


「なにっ!? 私の魔軍が! 溶けるだと!?」


 驚愕する悪魔。

 思った通り! 悪魔の魔力で水を固めて創ったこの女の子たち、百合魔力を流し込んで浄化すれば、水に戻せる!

 剣で攻撃はできなくても! キスなら攻撃じゃないから!

 口移しで直接魔力を流し込みます♪


「ちゅっ♪ ちゅっ! ちゅっちゅ♪」


 か、可愛いよ♪ 女の子たち可愛いよ♪

 理屈とかどうでもいいの、キスできれば! 百合キス最高♪


 思い起こせばシュラムエント戦も、学校中の女の子を助けるために何百人と唇を奪っちゃった♪

 今回も思う存分、女の子にキス! キス! キス!

 槍とか避けながらだから、我ながらけっこう凄い動きしてるよ!


「や、やはり淫乱ピンク……!!」


「ち、違うし! 正義のためだからね!?」


 危ない、言い訳忘れてたわ!


「ちゅぅ、ちゅちゅちゅちゅぅー♪」


 裸の女の子とキス。裸の女の子とキス。裸の女の子とキス♪

 私は疾風のごとき速さで、次々と唇を奪う!

 浄化され、水へと還る魔の軍勢!! 何百人だろうと、全てキスしてみせる!


 百合キス千人斬り! 私が! 真の百合無双だっ!!


「そなたこそ! 万夫不当の百合っ娘よぉ!!」


 ありがとうステファニー! 最高の褒め言葉です!


「……あれ、おかしいな。私、ノーマルのはずなのに?」


 ついね! 変身中はテンションもレズ度も上がっちゃうのよね!


「さぁ、残すはあと一人よ!」


 最後の一体はセクシーでアダルティ、早百合にも負けない巨乳のお姉さま♪


「お姉さまー♪」


 ……ちゅう♪ 浄化の百合キス♪

 最後なので、それはもうディープに! 舌まで挿れちゃうよー♪


 え? エロ過ぎて浄化に見えない?

 仕様です!!


 そして。全ての女の子の唇を奪い、水に還した私は。


「ハァハァ、百合キス最高すぎて、鼻血が♪」


 ぶしゃぁーと、鼻血噴出。血液ゲージ残り15%。


 あ、危なかった……。あと一回、裸の女の子とキスしてたら死んでたかもね!?


 しかし。


「くくく……。それで勝ったつもりか?」


 悪魔アハートヴァール、余裕の笑みを崩さず。


「なっ、どういうこと!?」


「愚かな小娘よ! 忘れたか! 我はヴァール、水辺で戦いを挑んだ時点で、貴様は敗北していると言ったはずよ!!」


 悪魔の哄笑がひときわ高くなり、そして!?


 なんてこと!? 水が再び集まる、魔軍が、再生する!?


「そうれ! 次は! もっとエロくしてやるわぁッ!!」


 ああ、ああ!!


 再び顕現する蒼の魔軍(裸の女の子)、その姿は!

 巨乳の子はさらに1カップ増量!? つるぺたの子はさらに絶壁に!?

 エッチ度が増してるよ!?


「は、鼻血がぁーッ♪」


 ……あ、死んだかも。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る