第10話 鮮血の死闘! ただしその鮮血は鼻から出る!!⑤

「は、鼻血がぼふぁ♪」


 悪魔アハートヴァールの魔法、水から魔の軍勢を呼び出す力。

 その能力で新たに作られたのは裸の女の子たち!

 なんて百合魔法少女の弱点を正確につく恐るべき悪魔的冷酷攻撃なの!?


「ぐぼふぁ!!」


 あれ、なぜか悪魔も吐血。


「くっ、ガチホモの私が女を創るなど! やはり自らもダメージが深いか! しかし! 全てはレギルレイス様のため! 盗撮映像を持ち帰るため、百合魔法少女をこの手で討つためよ!」


 口元の血をぬぐい、悲壮な覚悟の表情、アハートヴァール。

 その姿に、ステファニーが賛辞を贈る。


「信念を曲げてまで、任務に命を賭けるか! 敵ながらその覚悟、敬意を表そう!!」


  いや、シリアス展開のふりしても、やってることは裸の女の子を水で創ってるだけだからね?


「うわぁぁぁぁん! ロリから大人のお姉さままで! 無駄にクオリティ高いし!?」


 水の全裸美少女魔軍、その数、数百。なんと一体一体デザインも違うよ!

 つるぺたロリっ娘に、セクシーお姉さま、ぜぇんぶ全裸!?

 お、おっぱいとかお尻とかエロエロ! いやいろいろ? とにかく放送できません!


 だめ、見てるだけで鼻血噴いちゃう♪(血液ゲージ、60%に減少!)


「きゃー! しっかりしてマジカル☆リリィ!? ほら、おっぱいならこっちにもあるよ!?」


 早百合さん追い打ちやめて。


「なぁんだ、ホモ展開終わり? じゃあ興味無い、おやすみ!!」


 そしてミルちゃんご就寝。早く逃げてよー。


「くくく、我が具現せしは蒼き水の魔軍、そして戦場はプールサイド、材料は無尽蔵! 地の利は我らにあるぞ!」


 子爵級悪魔アハートヴァール、ずらぁっと女の子を並べて腕を組む。

 その威容、戦場を睥睨へいげいする覇王のごとし!


蹂躙じゅうりんせよぉぉぉっ!!」


 号令一下! 蒼き水の魔軍(裸の女の子たち)は、槍や斧を持って一斉に襲い掛かってくる!

 あ、ちなみにこの女の子たち、叫んだりはしないみたい。発声機能は無いようです。

 よかった、テンション高い人ばっかりだから、皆で叫ぶとうるさいもんね!


「ふぇぇぇ、正視できないし!?」


 斬り結び、剣で受けながらも! し、視線がついつい裸に♪


 ずるいよ! こんなのずるいよ!?

 鼻血がぶぴゅぱっ♪(血液ゲージ、残り50%。普通死んでます!?)


「き、来たれ魔剣よ!!」


 このままじゃ出血多量になっちゃう!

 女の子の裸に興奮しすぎて死んだ魔法少女なんて、前代未聞すぎるし!?


 一気に殲滅あるのみ!


 光の魔方陣より湧き出でる、輝く千の黄金魔剣!

 私の意志に応え、100万でも200万でもぶっ飛ばすスーパーマジカル兵装、ランクEX対軍宝具です!!


「唸れ百合魔法剣、ホーリー☆ラヴキャリバー!!」


 ふざけた名前だけど強いですから!!


「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇーッ!!!」


 神をも穿つ光の矢となって! 千の魔剣は放たれる!!

 星々すら斬り裂き、星雲すら割る!

 宇宙の根源たる愛の力、百合の力が顕現した、銀河に無敵、宇宙最強のパワー!!


 しかしッ! ああ、私にはッ!!


「ど、どうしたのマジカル☆リリィ!?」


 早百合がいぶかる。


 私の魔剣は、悪を殲滅する光の剣たちは!

 水の魔軍を、裸の女の子たちを貫く寸前で、その動きを止めてしまう!


 だって、だって……。


「で、できない! こんな、こんなっ……可愛い女の子たちを攻撃するなんてー!!」

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