第9話 プールサイド、鼻血に染めて⑦

 プールにて、ミルちゃんとの再会。

 銀髪ロリータ美天使ミルちゃん、や、やっぱり可愛い♪

 紺のスクール水着が未発育なカラダに似合いすぎだし!


「って、私はロリコンか!」


 違うからね!? 可愛い女の子を嫌いなほうがおかしいでしょ!?


「ねえ、いつまでお姫様抱っこしてるの?」


 さすがに子ども扱いと感じたか、ぷくーと頬を膨らませるミルちゃんから、


「あわわ、ご、ごめんね!?」


 慌てて手を放す。


 そこへ水中から、早百合も浮上。てか、まだ潜ってたんだ!?


「ぷはぁっ! もう、りりなが潜ってキスしてくれないから、呼吸困難になるところだったよ!?」


 おっきな胸を上下させ、息を切らせる早百合。公共の場で、あんまりキスとか言わないでほしい。


「って、あれ、あなたは……」


 ミルちゃんに気付いた早百合。

 さて、美少女二人の出会いはどうなるでしょう?


「あ、あなたは夏祭りの! ホモ短冊の子!?」


 答え! 早百合は瞳をキラキラさせて!!


「う、嬉しい! あなたとは一度、じっくり語り合いたかったんだよ!? ホモ談義! ホモ談義しようね!?」


「ま、まさか貴女も腐女子!? 腐女子なのね!?」


 ミルちゃんも目を輝かせる! うん、私の時よりテンション高い反応だし!


「イエース、アイアム、ゾンビガール(腐女子と言いたいらしい。早百合、明らかな誤訳!!)! 何を隠そう、ホモ大好きなのです!!」


 ミルちゃん、感極まったように天を仰ぐ!!


「おお、同志よ!!」


 ……はい、私を置いてけぼりで、すっごく打ち解けてました。


 ※ ※ ※


 プールサイドに上がった私たち、パラソルの影に座った早百合とミルちゃんは。


「み、見た!? あの男の子たち、水着で肩なんて組んで♪ 絶対デキてるよね、あれは♪」


「ふふ腐、あの遊んでそうなチャラ男も! 女の子連れてノンケのふりしてるけど、今水着のおじさまに向けた欲情の目はガチホモね! 私の目はごまかせない!!」


 ……どうやら二人の目には、私と違う世界が見えてる模様。

 ホモ談義に花を咲かせながら、よだれ垂らす二人。そこから発せられる闇のオーラのどす黒さったら!

 爽やかな真夏のプールサイドを、腐った世界に変えるような禍々しさだよ!?


「……これはいけないわ」


 つぶやく私に、ステファニーが念波で相槌あいづち


(ああ、その通りだ! 百合魔法少女のパートナーである早百合が、ホモホモ言ってるのはどうかと思うよ! だいたいホモネタ多すぎるんだよ、この作品! このままじゃホントに『薔薇魔法ホモ野郎マジカル☆ホモォ』とか登場してきちゃうよ!?)


 でも、私の不満はそこじゃないし。

 そう、私が言いたいのは!!


「ずるい! 早百合ばっかりずるい!! 私だってミルちゃんとイチャイチャしたい!!」


 がばぁっ、とミルちゃんに抱き付きました!!

 任せて、私は百合魔法少女!! 百合展開が無ければ創り出す!!

 ミルちゃんとプールでイチャイチャ編、はっじまるよー!?

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