第4話 心に百合を! 拳に愛を!!②

「why!? 学校のガールズは全員魂を抜き取ったはずネー!?」


 早百合の登場は、悪魔にも予想外だったらしい?


「早百合、無事なの!?」


 彼女の元に駆け寄ろうとする!


 でも、どうして早百合だけ!?


「百合だね、これは! 百合の加護が早百合を守ったんだよ!?」


 いやいや! ステファニーってば、何でも百合で解決させ過ぎだし!?


「事実だよ! りりな、君の百合魔力が、キスのおかげで早百合にも微弱に移り! それが悪魔への抵抗力となったのさ!」


「シット! でも変身なんてさせまセーン!?」


 悪魔は、眼からビーム発射! 茶畑を薙ぎ払い、早百合を襲う!?


「きゃあぁぁっ!?」


「危ないっ!?」


 間一髪! 私は早百合へ飛びつき、押し倒す!


「……り、りりな!?」


 背中のすぐ上、死の熱線がかすめる恐怖!


 ……でも私は。

 それどころじゃなかった。


「……あ」


 さ、早百合の顔が、顔が近いの……!


 唇が触れ合う寸前、吐息のかかる距離。


(ど、どうしよう!? 早百合のカラダ、柔らかい♪)


 私を助ける為に、一生懸命走ってきてくれたのでしょうね。

 制服を濡らす、甘い汗の匂い。

 私のカラダの下、巨乳が間に有っても感じられる、熱い鼓動。


「……もう、りりなったら。いつまで私に乗ってるの?」


 心なしか、早百合の頬も赤いし。


(きゅ、きゅんきゅんっ♪)


 ごめんなさい、正直に告白します。


(私、狼になっちゃう! 早百合と、百合えっちしたい!?)


「い、いいよ、りりなとなら」


 はうっ♪

 まさかのOK! 心が伝わっちゃった!?


「だ、だって、私、りりなとキスする為に来たのよ? ……覚悟は、できてるから♪」


 純潔捧げます宣言頂きました!?


「わ、私、一線越えちゃうっ!?」


 心まで、百合魔法少女になっちゃうよ♪


「oh、いつまでイチャイチャしてるデース!!」


 再び眼にビームを溜める悪魔に!


「愚か者ッ!! 百合ラブの邪魔など、何人たりと許さんぞッ!?」


 大迫力でステファニー凄む!


「正座しろ、正座! 今、まさに! 神聖にして尊貴! 百合ん百合んな真実の愛が、誕生しようとしているのだ! 刮目して待てッ!!」


「……oh、ソーリー」


 悪魔、正座したし!


 でもごめんね、今は早百合しか見えない。早百合しか要らないの!!


「って、おかしいでしょ!? 私達、女の子同士だよ!? キスとかえっちとか、普通じゃないし!」


 くぁー!?

 どうしちゃったの私!?


 頭を抱えて悶絶!


「……もう、こんな押し倒しておいて。りりなの、へたれ」


 何とでも言ってってば(泣)!?


「だって私、ノーマルだから! ノーマルなんだからぁぁっ!?」


 焦るステファニー。


「何を今更ッ!? 早くキスして、変身してよ!?」


 うるさいうるさい、うるさぁーいッ!

 乙女の唇、安く見るな!?


「……ねぇ、教えて。本当に、りりなは私とじゃイヤ?」


「ふぇっ!?」


 早百合の真剣な瞳に。胸が、ハートが縫い止められる。


「ち、違うの! そうじゃなくて!?」


 私達は、親友。

 私は、早百合が大好き。


 ……だからこそ。


「私ね、早百合が好きなの。早百合にドキドキしてるの。ホントだよ? でも分からないの。分からないのよ!」


 早百合は微笑みながら、聞いてくれている。

 私の、泣きながらの恥ずかしい告白を。

 みっともない、告白を。


「このときめきが、私のホントの気持ちなのか。百合魔法少女になったせいか。私ね、自分で分からないの。だから、こんな曖昧な気持ちで……」


 大好きな親友のあなたに、キスできない。大切だから、軽い気持ちで傷つけたくない。


「……そっか。りりなは、優しいね」


 そんな私を受け止めるように、早百合は、穏やかに笑ってくれた。


「HAッHAーッ! 実に下らないデースネー! ユーアー、フール!!」


 私達を! (正座のままで)悪魔は嘲笑!


「愛なんて所詮ミラージュ! ただの、性欲デース! そんなモノに苦しんで! 正当化しようと迷って! 実に人間はクレイジー、愚かデース!!」


「りりなを、笑わないでッ!!」


「ホワット!?」


 早百合の叫びは!

 想いの乗った言葉は、悪魔を黙らせる!


「ねぇ、りりな。私もね、優しいあなたが、大好きなんだよ?」


 早百合は、顔を赤らめながらも微笑んで。


「でも私の好きは、初めからこっちなの。りりなとキスしたい。りりなと、一つになりたい。こんな私を……受け止めて、くれますか?」


 震えながらの。勇気を出しての、早百合の告白を聞いて、私は。


 ……トクンッ。


 友情が、愛情に変わる音を、聞いた。


「……いいの、早百合? もう、戻れないよ?」


「ふふ、いいの。だから、キスしよ♪」


 そして。

 ちゅっ♪

 私達は心ごと、互いの唇を重ねた。


「き、キマシタワー!!」


 叫ぶステファニー! そしてほとばしる、黄金の魔力!


「ん、ちゅっ♪ ちゅうっ♪ ちゅーっ♪」


 私と早百合も、もう止まらない! 茶畑の中で! カラダを、腰を擦り付け合いながら、何度でも、何度でも口づけを!

 唇を通して、愛を、燃える魂を貪り合う!

 まるで……ケモノのようにッ!!


「Noーッ! 何という魔力!? これは実際、危険デース!?」


 熱い! 身体が、魂が熱い!!


 私の奥から溢れる魔力は! 輝く光の柱となって! 聖なる巨柱となって!

 雲を、天を衝き破る!!


 人よ世界よ、宇宙よ見なさい!!

 これが私達の想い、私達のハート!!


 この熱さを、煌めきを! 誰にも笑わせたりなんかしないッ!!


 さあ、征こう。

 私は立ち上がる。

 この感情を護る為に。世界の闇へと、立ち向かう為に!!


 いざ、変身ッ!!!


「聖なる愛の護り手、百合魔法少女マジカル☆リリィ! 人類まるごと、百合ん百合んにしてあげる☆」



《おまけ 変身シーン解説》


 ステファニー

「き、来た! キマシタワー! 魅惑の変身シーン♪ ここでマジカル☆リリィの変身シークエンスを解説しておこうか。ゲストは早百合だよ!」


 早百合

「任せて! りりなの全裸変身、録画したのをもう1000回は見たから♪」


 ステファニー

「頼もしいね! さて、まずは女の子とキス! これが無くちゃ始まらないよ!!」


 早百合

「きゃー♪ 今日のりりなってば、凄く激しいんだもん! もう、狼さんなんだから♪」


 ステファニー

「おめでとう! 早く結婚しろ! さて、キスを堪能した後は、りりなの身体が魔力で宙に浮かび上がり! 魔方陣が出て、服が弾け飛びます!!」


 早百合

「ブラも! パンツも! だよね♪」


 ステファニー

「もち! 全裸さ! 一糸纏わぬ産まれたままの姿さ!!」


 早百合

「ハァハァ♪ りりなの裸、最高♪ これだけでご飯10杯いけちゃう♪」


 ステファニー

「早百合、鼻血を拭いて! さて次は、解き放たれた魔力を体内に戻すよ! 背景ピンクの変身空間、体外に出てたりりなの魔力が、彼女の穴という穴から……入り込むッ!」


 早百合

「こ、このシーンえっちい!? りりな、感じてるよねコレ! 未知の快感に戸惑うりりな、可愛い♪」


 ステファニー

「R15だからね! そして、魔法少女の服が、極ミニパンチラ衣装が精製されます!!」


 早百合

「凄いわ作画班! カット割りもとことんパンチラアピールなのね♪」


 ステファニー

「ちなみにこの衣装は、魔力を粒子化し、眼に見える形でカラダに定着させたモノだよ! だから戦いで破れても自動修復されるんだけど、ある意味裸で戦ってるようなものだね!」


 早百合

「あれ? 昨日とパンツが違う!? 縞パンだわ!?」


 ステファニー

「そう、パンツは変身前のが再現されるのさ! その方が毎回新鮮で! 楽しいからね! あ、だからってスパッツとか、まさかやらないだろうけど男物穿くのは駄目だよ!? 魔力で再現できるのは正統派のパンツだけ! パンツと認識されないと正しく再現できず、最悪ノーパンで戦うことになるよ!?」


 早百合

「そ、それは放送できないね! でも見たい♪」


 ステファニー

「まだ語り足りないけど、長すぎるのでこの辺で! 後は各自、脳内で最高のエロ変身をイメージしてね♪」

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