第3話 ああ無情。百合魔法少女、哀しき宿命!②

 坂道を昇ると、そこには、て、天使!?


「ふふ、おはよう、りりな♪」


「うわっ、まぶしッ!?」


 しゃらんら♪ と効果音付きで、バックに大輪の百合を背負って、早百合さゆり登場!


「わ、私変身してないのに。変身してないのに!?」


 早百合が、すっごくキラキラして見えるんですけど!?


「おはよう早百合! 夕べは色々有ったけど、きちんと安眠できたかい!?」


「えへへ、それがね、あまり寝られなかったの。だって、りりなの裸を、変身シーン撮ったのを無限リピートしてたんだもん♪」


 早速打ち解けてる早百合とステファニーだけど、私はそれどころじゃなくて。


 ドキドキ♪

 きゅんきゅん♪


「あ、あれ? 何だか早百合が、あぶないくらい可愛く見えるし!?」


 天使! 巨乳天使!


 つややかな長い黒髪も、バラ色の唇も!

 破壊力抜群で私の理性はノックアウト寸前!


「ど、どうしたの、りりな。何だか目が、ハートになってるよ?」


「ひぃっ、来ないでぇぇっ!?」


 うわぁん、良い匂いだよ!?


「おっぱいが!? おっぱいが迫ってくるぅ!?」


 早百合最大の武器! 中学二年にして90オーバー、発育良すぎなバストが、バストが!?


「お、おかしいわ! こんなの絶対おかしいよ!?」


 昨日までの私なら、


(羨ましい……私に分けて(涙)!)


 だったのに、今は!


(顔を埋めたい! ふかふか、ふかふかしたい♪)


 なんて思っちゃってるし!


「な、なんで!? 女の子のことしか考えられない!?」


 早百合可愛い!

 早百合可愛いよ、ちゅっちゅ♪とか、


「こ、これじゃ私、変態よ!?」


「もう、りりなったら♪ 私に欲情してくれるのは嬉しいけど、ここ通学路だよ?」


 お願い黙ってて(泣)。


「ああ、そうだ。言い忘れてた!」


 ぽんと手を打ちステファニー!


「百合魔法少女は、女の子を愛すれば愛するほど強くなるからね! りりな、君は、キスをするたびに女性がキラキラ愛しく! そしてえっちに見えるカラダになってるんだよ!」


 なんですと!?


「自動的に、同性しか愛せなくなっていく! そしてますます百合魔法少女としてパワーアップ! 素晴らしいシステムだろう!? ひと月もすれば、男子なんて視界にすら入らなくなるよ!!」


「何それ呪い!?」


 返して、私のノーマルな青春!


「なんだ、私だけじゃないのね。他の子も、可愛く見えちゃうんだぁ……」


 心底残念そうな早百合。

 いやいや、そんなジェラシーな顔をされても!


「……でも、そうなると。りりな、大丈夫なの?」


「ふぇっ? な、何が?」


 何か有ったっけ?

 考える私に、早百合は。


「……今日、水泳の授業だよ?」


 ……水泳?


 水着。


 女の子の、水着!?


「水着ィィィーッ!!」


 私より先に、ステファニー咆哮!


「水着! JC! スク水、スク水!! 良いね、夏のサービスシーンだね! 作画班! 作画班出動だよ! りりな、君も思う存分百合百合しよう♪ 女の子の着替えにハァハァするといいよ♪」


「し、しないし! するものですか!」


 ……ああ、神様。私の理性は無事でいられるでしょうか?


「あ、神様僕だから。僕だからねッ!?」


「うっさい! 信じるものですかぁぁー!?」

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