第2話 最強! 無敵! 百合魔法少女!!④
悪魔の触手は、無数の大蛇となって牙を剥く!
「な、なんてことを……!」
人々を飲み込み! その命を
「悪魔め! あれじゃ一晩も経たずに、日本中の人間を喰い尽くしてしまうよ!?」
ああ、埼玉に未来は無いの?
日本はこのまま、滅びてしまうの!?
「おお、神よ! 寝ているのですか!?」
天を仰ぐステファニー。
「あ、神様は僕だった!」
「一人で漫才してる場合か!?」
あと1分、あと59秒、58秒……!!
何か! 何か方法は無いの? 悪魔を止める方法、皆を、街を救う方法は!?
「……方法は、あるよ」
ステファニーが。
「全ては、百合だッ!!!!」
「……は?」
「百合魔法少女マジカル☆リリィ! 君は信じないのか、君の力を! 百合の力を! 百合は無限、百合は宇宙!! 美少女と美少女のらぶらぶキスが産む、ぴゅあ
……もしかして、この展開は。
「さあ、もう一度! 女の子同士で、百合キスをするんだぁぁぁーッ!!」
「うわぁん、やっぱり!?」
どういう理屈よ!?
てか、キスさせるのが目的の展開としか思えない!
「説明の暇は無いよ! 考えるな! 感じるんだ! ほらキス♪ キッス♪」
そして早百合の前に強制連行!!
「りりな、私はいつでもいいよ♪」
「……で、でも、私、恥ずかしいよ(照)」
あれ!? 私、意識しちゃってるし!!
変身のせい? 早百合が、女の子が異常なまでにキラキラして見える。
……これでキスしたら、私は多分戻れない。一生、ノーマルには。
なのに、ああ、なのにッ!!
「急げ、急ぐんだマジカル☆リリィ! キッス♪ キッス♪ はりー! はりーあっぷ!!」
残り41秒、40秒、39秒! 迷ってる時間も無い!?
「さあ! 劣情に身を委ねるんだ!!」
劣情言うな!?
とにかく、覚悟を決めて!
「い、いきますっ!?」
そして。
セカンドキスは、濃厚に。
「ちゅ、ん、ちゅる、ちゅぷぅんっ」
わ、私! 舌まで挿れてるし!?
「ん、りりな、激しっ……」
どうしよう、早百合可愛い♪
(私、止まらない! 早百合を押し倒したい! 早百合と……えっちしたい!?)
「き、キマシタワー♪ なんて魔力!! こんなの、宇宙始まって以来だよッ!!」
唇を重ねたのは10秒ほど。なのに体感的には、10時間くらいちゅっちゅしてた感じ。
その熱いベーゼは! 私のハートを!! 百合の魂を!! 大いなる力で震わせるッ!!
「か、身体が、熱い!?」
魂の奥から溢れ出す、黄金の魔力!
いいえ、これはもう、魔力という次元じゃない!!
「分かる! 分かるわ!! 今の私なら、なんだって出来る!!」
銀河を! 宇宙を破壊し、創造するほどの力!!
万物の創造主たる神にも迫る……これが! これが百合の力!!
女の子って、すごい!!!
「さあ、いくわよ!」
太陽のように激しく、熱く! 輝く力を纏った私は、悪魔の上空へ飛ぶ!!
悪魔の巨体は既に市内全域を押し潰し、埼玉全土にその
……時間は、残り10秒。
けれど。
(分かる! 今の私なら、こいつを倒すのに5秒でもお釣りが来るッ!!)
そして。
そして始まる、皆さんお待ちかね、必殺技タイム!
さあ、イメージしよう。私の「武器」を。力の具現の姿を!
「来たれ! 百合の力よ!!」
手を掲げ! 叫ぶ!!
絶望の夜闇を切り裂いて、今、天空に画かれる無数の魔方陣!!
(イメージする。どんな絶望も、どんな運命も断ち切って! 皆の明日を切り拓く力を!!)
そして。
「それ」は顕現する!!
「輝く千の魔剣! 百合魔法剣ホーリーラヴ☆キャリバー!!!」
そう、降臨するは千の魔剣! 黄金に輝く、美しき刃達!!
愛を、正義を、そして百合を守護するため産まれた魔剣の力は!
その一本一本が伝説の聖剣、神剣にさえ匹敵する!!
「ふぉぉぉッ、なんて派手なんだ!?」
ステファニー絶叫!!
「ゲートオブバ〇ロン!? 無限〇剣製!? か、かかかかっこいいよマジカル☆リリィ! 剣を召喚しまくるとか、ロマンだよ! これは売れる、売れるぞ。マーケティング的にも大正解です!?」
「グルォォォッ!?」
悪魔が怯える、恐怖する。
無理もない、この輝きを前にしては。
本能で悟らざるを得ない、この力は、己の存在を一瞬で地上から消滅させると。
けど! もう容赦なんてしないわ!!
私は、聖なる愛の守護者、百合魔法少女マジカル☆リリィ!
全ての愛を! 宇宙の百合を護るため!
今……! この力を解き放つッ!!
「いっけぇぇぇーッッ、魔剣よ! 『
「グルォォォォォォンッッ!?」
雷のように! 彗星のように飛翔!!
光の尾を引き、夜空を、大地を切り裂く黄金の魔剣!!
悪魔が十分の一再生すれば、一瞬にしてその百倍切り刻む!!
聖なる光の滝となって、地上へ
その力、まさに宇宙最強、銀河に無敵の神話的破壊力!!
「グォァッ、ァァァアッー!!」
……そして。
断末魔さえ剣の嵐にかき消され、悪魔は。
聖なる光の奔流の中へと、溶けて、消えていった。
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