第2話 最強! 無敵! 百合魔法少女!!③

 ちゃららー♪ ちゃらっららー♪

 暑っ苦しい戦闘BGMに合わせ! 私のキックが! 正義の一撃が悪魔を射抜く!


「吹っ飛べぇぇぇー!」


 そのキックは、きらめく流星! 黄金の魔力を纏い、地球も割れよと大地をえぐるッ!!


「グォッ!? グルォォォ!?」


 クレーター状に森ごと、大地ごと悪魔を押し潰し!

 敵は苦悶!


「す、すごいよ! すご過ぎるよマジカル☆リリィ!!」


 ステファニーは興奮!


「今のキック! 仮面〇イダー5億人分の威力はあるよ!!」


「5億て! ケタがおかしくない!?」


「事実なんだから仕方がないよ! 強くて、かっこ良くて、百合百合しい!! 君こそ宇宙最強! 最萌えの! スーパーヒロインだよ!!」


「百合百合しいは余計よ!?」


 更にステファニー、うんうんと頷きながら。


「そしてキックの威力以上に! パンチラが素晴らしいね! 作画班の熱い魂が宿った、神パンチラだよ!! これこそ僕がプリ〇ュアやまど〇ギに夢見て! 得られなかったものだよ!!」


 ……私は、慌ててスカートを押さえる!


「み、見るなってば!?」


「はぁはぁ、羞じらう姿も素敵よ、マジカル☆リリィ♪」


 遠くで早百合!

 いつの間にか、ビデオカメラで撮影始めてるし!?


「あなたの活躍は! 私との愛の軌跡は! 全部記録してみせるから♪ CCさ〇らの、知世ちゃんポジションに私はなる!」


「おお、CCさ〇ら! 懐かしいね! 百合魔法少女の先輩だよ! けど君、世代じゃないよね?」


 とか何とかはしゃいでると!


「グルッ! グルォォォン!(訳・ふざけやがって! 俺がこんな小娘なぞに!)」


 荒れ狂う悪魔怪獣!!


「グル、グルルォッ! グルルルォォォン!!(訳・負けてたまるかよ! 俺は! 俺は、男爵級悪魔だぞッ!?)」


 がぱっ、と腹部から巨大な口が出現!

 まさか?

 まさかッ!?


「グルルルギャー!!(訳・消し飛びやがれぇぇッ!!)」


「やっぱりビーム!?」


 極太! 極太ビームが、森を根こそぎ消滅させながら! 私達に迫る!

 ……私の背中、ずっと後ろには、早百合。


「させないッ! 早百合には、指一本触れさせないんだから!!」


「きゃぁぁ♪ それって告白!? 告白なの!? 愛のプロポーズととらえて良いの!?」


 早百合、鼻血を噴き出して卒倒!

 とりあえず、無視!

 信じる! 私の力を! 大切な人を護る、百合魔法少女の力を!!

 右拳に魔力を集中! 腰を入れて、思いっきり!!


「鉄拳制裁☆GLコズミックパーンチ!!」


 正義のパンチは! ビームを切り裂き、邪悪な力を切り裂き!

 巨大な悪魔の半身を消し飛ばした!!


「グギャォォッ!?」


 その威力、まるで核弾頭!!

 これが愛の光! 正義の光!!

 この世に百合がある限り!! 可愛い女の子がいる限り!!


「悪魔なんかに負けない! この百合魔法少女マジカル☆リリィは! 宇宙最強! 絶対無敵なんだから!!」


「おお、のってきたね、マジカル☆リリィ!」


 腕に付いたままのステファニーの言葉に、


「……はっ! 私は何を!?」


 我に帰る! 私、洗脳とかされてないよね!?


「グル、ググルルゥ……(訳・畜生、畜生が……)」


「な、まだやるの!?」


 悪魔しぶとい!!


「急げ、マジカル☆リリィ! 街を直せる限界まで、あと一分だよ!?」


 その時!


「グルルルァァァ! グルグルォァァァッ!!!」


 悪あがき!? いいえ、そんな規模じゃないッ!!

 悪魔アルダ=ギルズは、逃げ惑う人々を喰らい始めた!!



《おまけ》

 ステファニー

「ちゃらら、ちゃらららー♪ 戦闘時のBGMは、僕が歌っているよ!」


 マジカル☆リリィ

「道理で! 耳元がうるさいと思ったら!?」


 ステファニー

「次回は、処刑用BGMを歌うよ♪」

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