第4話キャラメイク

 気がつくと椅子に腰掛けていた。おうここは何かあの広間に似ているような。すると1人でにメニューが立ち上がりVFOの世界観や概要を紹介するPVが流れていた。


 設定としてはこの統合世界の数千年後から世界が廃退した理由を探るためにタイムマシンに乗り過去へと時間遡行を試みたが何者かの干渉を受け既に廃退した世界に飛んでしまい通信機は現地にいる他の探索者とは相互通信が可能だが未来の世界に居る本部の隊からは一方的なメールでしかやり取りが出来なくなった。

 無論、統合世界なので俺が勇者召喚された異世界グルカルトにあった各種ギルドも比較的何処にも存在している。そして廃退した原因を探るために探索者は現地での活動を命じられる。


 そのようなPVが終わるとゲートのような魔法陣から銀髪紫眼の美人が現れた。

 その姿を見た時、心臓が震え上がった。見覚えがあったからじゃない。あの時以来ひと時も彼女の事を考えなかったことはない。ミミア・エルネス・アストレイ。俺の今は亡き婚約者でありグルカルトにおいて治の聖女の名を拝命していた。偶然とはいえども彼女に似ており心が切なくなる。


「ようこそおいでくださいました、探索者の方。ここでは貴方のアバターを製作します。俗に言うキャラメイクです」

 と可愛らしく告げる。その声と共に俺の前に俺そっくりの人形が現れ弄れる部分に閉じたウィンドウが現れる。と言っても俺のキャラはある程度決めていた。まずは髪を蒼髪にして眼を紅・翠のオッドアイに。異世界での姿をそのままアバターに反映させた形だ。珍しく俺の全力スタイルだ。まあゲームにチートなステータスを持ち込めるわけないんですけど。で決定。


「お次はスキルです。このVFOはレベル・スキル両性でスキルの習得にはSP《スキルポイント》と呼ばれるポイントを消費します。SPはレベルが1、スキルレベルが10上がるごとに1ポイント付与されます。スキルレベル最大値は100でおよそ75くらいで別のスキルに派生します。プレイヤーの初期所持スキル数は5です」

 説明終了と同時にスキル選択欄が現れる。

 俺の適性の都合上、わりとなんでも出来るので考える必要性は無いが意外と5というのは少ないものだ。剣と銃で2。後は回復魔法。それに調合で最後は・・・鷹の目だな。眼力系スキルはこれ以外見つからなかったので消去法だがグルカルトでは眼力系スキルには大変お世話になったからな。攻撃魔法も欲しかったが仕方ない。そしてここでプレイヤーネームであるリョーの名を入力する。うん、何だか懐かしい。

「スキルの習得を完了したようですのでチュートリアルに移ります」

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