第20話 イギリス公演?終了し無事日本に帰国

彼女達のライブは盛り上がっていた。元からの人気と特別参加の昴のおかげで客達の

テンションが上がっていた。


昴は希が紹介し、そこでソロ演奏をした。

そして、その演奏に客達は拍手喝采した。

しかも、英語で話しており、それには

希達が驚いていた。


そうして、一時間のライブは無事に

成功した。


「あんた、本当に何者?」

「ただの高校生だ」

「それにしては色々すごすぎるんだが」

「あんたらが知る必要はない。これで

さよならだからな」

「待って!今から打ち上げとかがあるから

あなたも」

「断る!俺は人嫌いなんでな」

「ならせめてお礼ぐらい受け取っても」

「いらん。俺に渡すぐらいならそいつの

治療費にでもするんだな」


昴は何も受け取らずにその場を去った。


紗香の家に戻り、部屋でまた、悔しがる。


「あれでも俺は楽しめないのか?あいつらも、客も湧いていたのに」


昴は部屋を出て風呂に入った。すると

誰かが入ってきた。


「あら、昴君」

「!?なんで入れた?」

「鍵してなかったわよ」


やってきたのは紗香だった。昴は鍵を閉め忘れていた。しかも、紗香はタオルをつけて

おらず裸だ。


「悪い出る」

「まぁいいじゃない。二人でも入れるし。それよりどうかした?いつも以上に不機嫌そうな顔をしてるわよ」

「何も。いや」


昴は珍しく話した。


「そう。でも、今は悔しいんでしょ?なら

大丈夫よ」

「大丈夫なわけがない。俺は!?」

「心配ないよ!キミも楽しめる時が来るわ!」


紗香は昴を抱きしめた。いつもならすぐに

離れるはずだが、この時は何故か紗香に

抱かれるのは嫌じゃなかった。


部屋に戻ってから昴は落ち着きを戻した。


「やっぱ、あいつら姉妹じゃないよな」


紗香とめぐみを比較して眠りについた。

翌日、昴は一人でまた街を歩いていた。

もう、四日目だが、昴達がイギリスに

滞在する期間は一週間だ。帰ろうと

思えば帰れるのだが、昴は残った。


もうこの街も慣れてきて、有名な場所も

一通り回り、昴はその中の一つ、ビッグ・ベンが見える橋の手すりの上に座って

時計塔を見ていた。


時間は夕方頃。人も多く行き交う時間で

昴は目立っていた。そして、女性から

話しかけられた時、昴が希達のライブに

いたのを見たと言う人で、ライブを

楽しめたと喜ばれた。


夜、家に戻るとめぐみがパソコンの動画を

開いて昴に見せつけに来た。


「霧島君!これなに?」

「ライブだ」

「誰の?」

「フォース」

「フォース?」

「日本のバンドで今こっちでライブをしてるみたいでな」


昴は最初から説明した。


「そう。でも、なんだかんだで手伝って

あげるのね」

「・・・そうだな」


昴は否定しなかった。ここに来て昴は少し

自分が変わって行っているのに気づいて

いた。


そうして、一週間が経ち、昴達は日本に

帰り、昴も自分の部屋に戻って来た。

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