第19話 ロンドンライブまさかの二回公演?

「戻るか」


昴は一時間程外をふらついてから部屋に

戻った。


翌日、昴達は紗香の家に行き、紗香が

通っている学校に行った。昴に見て

ほしいと紗香に言われ、めぐみと一緒に

やってきた。


「皆私服だな」

「そうね。海外はだいたい私服よ。他にも

見たいのがあったら自由に見ていいからね!あ!女子更衣室は見ちゃダメよ」

「見ねぇよ」


紗香は教室に向かった。昴はめぐみの

案内で校内を見学する。色々見たあと

体育館に入った。そこにも生徒達はいるが

二人は壇上に上がった。


「霧島君。明日、ここでライブやるわよ」

「は?ライブ?ここで?」

「ええ。去年もやってるし、私こっちでも

有名なの。正式なライブもしてるしね」

「そうか」

「で、そのライブに霧島君にも出てほしいの」

「断る」

「相変わらずの0秒突っ込みだね。もちろんただじゃないわ」

「なら受けてやる」


めぐみは昴の扱いになれてきていた。


その後、昴は一人街に出た。そこは秋葉でも

自分の家の回りでもない。イギリスの

ロンドンだ。


昴は英語はできるので買い物は平気だ。


そうして、一人街を歩いていると楽器店を

見つけた。中に入ると客は少なかったが

楽器はいいのがそろっていた。


少し店の中を見ていると別の客がやってきた。その客はギターを持っている女性で

店員と話していた。


昴は関係ないかと、また楽器を見ていると

誰かに話しかけられた。


「キミ、日本人?」

「そうだが、あんたもか?」

「そうよ!まさか、ここで同じ国の人と

会えるなんてね。私は天音希(あまねのぞみ)よ。よろしく」

「・・・霧島昴だ。悪いが俺は誰かと仲良くなろうとは思わないからな」

「あら?そうなの。せっかくカッコいい

のにもったいないやいわね。まぁでも

音楽はやってるんでしょ?楽器屋にいる

んだし」


昴は簡単には説明した。


「へぇあなた、あのお姫様とライブを

したんだ」

「知ってるのか?」

「もちろんよ。彼女は超有名人だもの。まぁ私もそれなりに売れてる方だけどね」

「あんた、プロか?」

「そうよ!フォースって言うバンドを

組んでるわ。今、ロンドンでライブする

からこっちに来たの」

「バンドか」

「そう。よかったら見に来る?ライブは

明後日だから」

「見ようにもチケットがないだろ」

「それなら大丈夫。私に声かけてくれれば

入れてあげるから」

「わかった。タダで見れるなら行こう」

「もしかして、あまり余裕ない?」

「まったくな」


昴はそれ以上は話さなかった。一応、希の

連絡先を教えてもらい、店を出た。


それからめぐみとライブの打ち合わせを

したりしてからその日は眠った。


翌日、めぐみとのライブが始まり、昴を

めぐみが紹介したりしながら、一時間

のライブは無事に終わった。


夜、部屋で昴は希に連絡をし、時間や

場所を聞いた。


そのライブ当日、昴は一人で行動したいと

言って希のいる場所に向かった。


会場について昴は希を呼び、控え室に

案内された。すると、何か問題が

起きていた。


「ケガ!?」

「すまない。いきなり、天井から照明が

落ちてきて、よけれなかった」

「演奏は無理?」

「出来なくはないけど、たぶん失敗する」

「それじゃ今日のライブは」

「南なしの編成でやるか?」

「今からじゃ合わせれないわ春乃」

「せっかくロンドンでのライブなのに」


フォースのメンバーの南、春乃、希、桜、 舞達が困っていた。昴はどこかで見た

パターンだと思った。


「しかたない。俺がやる」

「!?昴君!でも」

「男は出たらダメか?」

「ダメじゃないわ。ただ、私達の曲

知らないでしょ?」

「ライブまでまだ時間はある。今日やる

曲を聞かせろ」

「聞かせろって、何曲もあるのにまさか

覚える気?」

「一回聞けばわかる」

「そんな事」

「なら中止するか?」

「わかったわ。あなたは篠宮めぐみの

ライブにも出たんですものね。お願いするわ」

「いいだろう」


そうして、昴は一回聞いただけで演奏を

した。それには希達はただ驚いていた。


そして、昴はロンドンでまさかの二回目の

ライブを行った。

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