第18話 霧島昴と篠宮家のイギリスでの出来事

昴は目を覚ました。そこは見知らぬ天井

だった。いや、昨日見たのを覚えている。


ここはホテルの部屋だ。めぐみに連れて

こられてやってきたのはイギリスだ。

しかも、自家用ジェットで来て、さらに

ここでもリムジンでこのホテルまで

来たのだ。


昴は終始呆然としていた。


「何故俺はここにいる?」


お決まりのセリフにめぐみが突っ込む。


「まだ実感してないのか?」

「あたりまえだ!県外すらないのにいきなり海外だぞ」

「いいじゃん。それに、私は霧島君の最初の相手が私だから私的には最高だよ」

「もう勝手にしな」


昴は諦めた。デカイベッドに横たわり

めぐみが上にかぶさってくる。


「霧島君。この後、うちの別荘に行くから

そこで姉さんを紹介するね」

「なんでお前の家族を紹介されないと

いかんのだ」

「まぁいいじゃん。私といれば何も困らなくなるから」

「お前といる事じたいが困るんだがな。俺のマイナス思考が削られる」

「だったらそれを全部プラスにしてあげる」


めぐみは服を脱ごうとしたが、そこに愛奈

が入ってきた。


「あら!取り込み中ね。私も混ざろうかしら」

「止めろよ!」


昴が突っ込み、それから着替えて別荘に

向かった。そこは少し山に入った所だが

いくつか家があり、奥には湖もある。


「霧島君。ここがうちの別荘だよ」

「・・・帰る」

「日本まで?ほらっ入るよ」


昴は諦めて中に入った。そこにいたのは

めぐみの姉の篠宮紗香(しのみやさやか)だ。


「あなたが昴君ね。初めまして篠宮紗香です」


大人しい感じで、容姿も和服が似合いそうな

美人だ。めぐみよりもスタイルが良い。


「何?霧島君」

「本当に姉妹か?」

「どう言う意味よ」


それから別荘の中や外を案内され、紗香と

話したりした。


「妹が悪い事をしてごめんなさいね」

「まったくだ。もう少し大人しくさせれ

なかったのか?」

「私も母も甘いからね。好きにさせてたら

あんな感じになちゃたの。まぁ一人ぐらいはあんな風に活発な子が居た方がいいしね」

「そう言うもんか?」

「そうね。あなたも!ごめんなさい。あなたは」

「気にするな」

「ねぇ昴君。良かったらめぐみをもらって

くれないかしら?」

「は?」

「あの子、モテるけど性格があれだから

心配だったのよ。でも、そんなあの子が

今一人の男の子に夢中になってる。だから

私も応援したいの」

「悪いがそれは出来ない。俺は誰かを信じる事なんか出来ん!それに、俺なんかと居てもあんたらにはなんの得もない。むしろマイナスになるだけだ」

「それは違うよ。回りは関係ないわ。一番

大事なのは愛だから。たぶん、あの子は

回りを敵にしてもあなたを愛すると思うわ」

「だとしても俺には無理だ!?」

「今は無理かもしれないけど、いつかあなたも人を愛せる時が来るわ。それまでは私も

手伝ってあげる」


紗香は昴を抱きしめた。昴はすぐに離れなかった。何故かはその時はわからないが。


その後、皆で食事をし、お風呂に入ったり

して眠りについたが、夜中の12時過ぎ

ぐらいに昴は目覚め、湖の前にやってきた。



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