第17話 篠宮家と一緒に県外どころか海外へ!?

朝、昴が目を覚ますとそこは知らない天井

だった。いや、どこかで見たことがある

気もした。

体をおこし、回りを見ると、隣には

なぜかめぐみの姿があった。


昴は気づいた。ここはめぐみの部屋だと。


でも、何故自分がここにいるのかはわかって

いない。昨日はちゃんと自分の部屋で

寝たはずだ。寝る前までは侑子が一緒に

いたが、追い返した。それから寝たので

自分の部屋にいないとおかしい。


昴はめぐみを文字通り叩き起こした。


「痛い!」

「おい、なんで俺はここにいる?」

「あ!おはよう。えっとうちの連中に

連れてきてもらっ痛いってば!」


昴は強めのデコピンをした。


「帰るぞ」

「待った!せめて朝食だけでも。なんでも

用意するか」

「そうだな。ただで帰るのは俺らしくないな。じゃあこの家の食料全部もらうか」

「いくら霧島君でもそれは無理じゃ。うち

には何百人も執事やメイドがいるから」

「・・・そんなにいて何をやらせるんだ?」

「まぁ家の事のほぼ全部かな。うちは親が

両方とも働いていない方が多いし、姉は

海外にいるから、私しかほとんどいないからね」

「確かに、お前一人じゃ無理だな。この

無駄に広い家じゃ」

「だから、メイド達を雇ってるのよ。さぁ

行きましょう」


めぐみはその場で着替えた。昴も着替え

二人でリビングに向かった。


二人が席につくと誰かがやってきた。


「あ!お母様」

「ただいまめぐみ。あら!そちらの方は?」

「前に話した霧島昴君」

「あなたが。初めましてめぐみの母の篠宮

愛奈(しのみやあいな)です」

「・・・」

「どうしたの霧島君?」

「似とらんな」

「悪かったわね!」

「ふふっ!聞いてたより面白いじゃない」

「今はね」

「でも、朝からうちに来てくれてるの

でしょ?」

「えっと、それは」

「俺が話す」


昴は説明した。めぐみは正座をさせられた。


「ごめんなさいね。わがままな娘で」

「まったくだ。どうしたらこんなに性格が

違う奴になるんだ。まぁ、俺もそうかも

しれんがな」

「霧島君」

「話しはめぐみから聞いてるけど、あなた

親を探す事は?」

「しない。もし、見つけたら0秒で殺す

だろうからな」

「・・・あなたの傷はそうとう、誰よりも

深いかも知れませんね。でも、せっかく

今生きてるのだから、もう少し、楽しんだりする事は」

「出来んな。あんたの娘も同じ様な事を

言ってくるが、俺は何があろうと、誰かを

信じる事はしない。だから、俺には何も

言わないでくれ」

「わかりました。今は言わないでおきましょう。ですが、私達はあなたの味方と言う

事だけはわかっておいてください」

「気が向いたらな」

「それはそうと、めぐみ、日曜日に出かる

のは覚えてるかしら?」

「わかってます。お姉ちゃんに会いに

行くんでしょ」

「そうよ。今回は私達二人だけだけど

もし、あなたが良ければ一緒に来て

いただけませんか?」

「そうだよ!霧島君、一緒に行こう」

「どこまで行くきだ?」

「イギリス」

「断る」


昴は当然断った。日本にすら存在がない

のにパスポートがいる海外になど

行けるはずかないと。そもそも、県外に

さえ行くきにもならないが、めぐみが

昴が風をひいた時の事をもちかけられ

しかたなく、ついて行く事になった。


普通なら行けるはずかないが、それを

可能にしてしまえるのが篠宮家だった。


そして、昴は本当に海外に行く事になった。


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