第11話 自分の日常はつまらない?

朝、時間は5時だ。部活をしてない生徒に

したら早い時間だ。昴は一人暮らしで

全部自分で家事をしないといけない。


一人暮らしだが、もう一人、面倒を見ないと

いけない人物がいる。隣に住んでいる

女性、侑子だ。彼女は大人だが、一人暮らし

には向いてないくらいな生活をしていて

昴が手伝っている。


侑子の部屋に行くと着替えの途中で下着

姿だったが、姿はそれをスルーし

朝食を作って行く。


「こらこら。普通の男子なら、興奮したり

恥ずかしがったりするとこだぞ?」

「俺は普通じゃないんでな」

「やっぱり変われないか?」

「どうかな」

「へぇ、てっきり変わらんって0秒で

返されるかと思ったけど。少しは変わって

るのね」


後ろから昴に抱きつきながら話す侑子。

それからしたくをし仕事に向かう。


「行って来るね!」

「なんだ?」

「行ってらっしゃいのキス」

「早く行け」


侑子はしかたなく部屋を出た。昴は自分の

部屋に戻り、時間になって家を出る。


学園までは電車で三駅程先だが、昴は

歩いて行く。二時間近く歩き学園に

つく。今は歩きだが、たまに、めぐみが

車で来る事がたまにある。


学園に入るが、教室には向かわず昴は

屋上に向かう。そこのベンチで横に

なり、授業をサボる。

いつもなら、昼休みぐらいまで寝ている

が、今はめぐみがたまに休み時間に

来てしまう。


「霧島君、昼だぞ」


昴の上にまたがり、話しかける。


「来てたのか」

「ええ。今はこっちを優先してるからね!

もちろんあなたの為にね」

「迷惑な事だ」

「その分、ちゃんと対価は出してるじゃない。それだけじゃダメなら、もっと!」

「それ、以上はいらん」


昴が指をめぐみの口に当てると、めぐみは

その指をくわえる。

昴はめぐみの舌を少し強くつまんで

指を離した。


「あん!もう少し舐めさせなさいよ」

「安くはないぞ」

「いくらでも払うわよ」

「さすがお嬢様だな」


そんな昼休みを過ごし、午後は普通に

授業をする。体育の授業では必ず

勇也達と一緒になり、チーム霧島で

行動する。


放課後、その勇也達が勝手にバイト先まで

ついて来て、勇也達を適当に案内し

自分は仕事に入る。バイトが終わり、家に

帰るのは夜の22時くらいだ。


それから侑子と一緒に色々し、寝ようと

するが、侑子が一緒にベッドに入って

来る。


「自分の部屋に戻れ」

「いいじゃない。たまにはさ」

「なら、服を着ろ」

「私、寝る時はいつもこの格好なの。昴

なら触ってもいいからね」

「触らん!」


昴は侑子に背を向けて眠った。


翌朝、侑子はいなくなっていた。昴は

いつもの様にしたくをする。そんな

中で昴は自分の日常が、つまらないと

思っていた。


「つまらんな。やっぱり、終わらせるか」


昴は手首のバンダナを外し、その傷を

見つめる。昔ならすぐに傷つけるが

今は思いとどまる。


「何かしないとすぐに死のうとしちまう。それでいいはずだが」


昴は今は死ぬ事を躊躇してしまう。それも

侑子やめぐみ達と出会ってしまったから

かもしれない。


昴はめぐみのライブ映像を見た。自分が

同じ事をした時を思い出す。


「やっぱりこれしかないか」


昴は自分の日常を変えようとしていた。

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