第6話 アイドルの仕事。昴への気持ち

部屋に戻ってきて少ししてから、誰かが

やってきた。


「昴、ご飯」

「金出せ」

「わかってるわよ」


やって来たのは昴の隣に住んでいる女性

小林侑子(こばやしゆうこ)だ。普通の

OLで、美人だが、私生活は少しだらしなく

昴の部屋に入るなり服を脱ぎ、下着姿に

なったりと。


昴は最初は無視をしていたが、しつこかった

のでしかたなく料理をしたらそれ以上に

なつかれてしまった。でも、ただだらしないだけでは昴は相手にしない。


食べ終えた後、侑子は帰らず、シャワーを

浴びて行く。


「そろそろ帰れ」

「いいじゃない。部屋は隣なんだし、朝までいても」

「宿泊料もらうぞ」

「いいわよ。ハイ」


侑子は昴に抱きつき、頬にキスをした。

それから少しして侑子は自分の部屋に

戻った。


昴もようやく一人になり落ち着いた。


とある日、めぐみは仕事をしていた。本業は

アイドルだが、グラビア、女優、タレント

等、様々な仕事をこなしている。


この日は朝から雑誌の取材をし、昼から

テレビの収録をし、それからレコーディング

をする。


もうすぐライブもあるのでその練習を

してる時、めぐみは昴が弾いていた

曲を思いだし、そこにあるキーボードで

弾いてみた。


「めぐちゃん、その曲は?」

「あ、別に、その。知り合いが弾いたので

それを弾いただけです」

「へぇ知り合いに曲作れる人がいるのね」

「作れるかどうかは知らないけど、演奏は

すごかったわ」

「それなら聞いて見たいわね。それで本当にすごいならうちからデビューを」

「それは無理だと思うわよ」


昴が人前で何かするとわ思えないので

めぐみはすぐに無理だと返事した。


夜はラジオの収録に行き、それで一日の

仕事が終わる。

今週はあと二日ぐらい仕事があるので

学園には行けず、昴に会う事もできない。


そのせいか、いつも強気な言葉を言って

いるめぐみだが、最近は普通に答える

様になっていた。


音楽番組でトークをする時も挑発的な

話しだったが、今日は普通な感じで

そこにいた全員が驚いていた。


事務所に戻り、めぐみのマネージャーを

している安部ほのかが心配しながら

聞いてきた。


「めぐちゃん何かあった?今日、おとなし

かったけど」

「まぁちょっとね」

「もしかしてもうややる気がなくたったとか?」

「それはないわ!私は日本一のアイドルを

目指してるのよ。ただ、今は」


めぐみは黙ってしまった。数日後、学園に

戻ってきためぐみは、新曲のピーアールを

する為に先生に許可をもらって、体育館で

全校集会をする時にライブをする事にし

生徒達は盛り上がったが、そこには昴の

姿はなかった。


昼休み、めぐみは屋上に行く。いつもの

様に昴はベンチで寝ていた。


「まったく、せっかく私がライブをした

のに。一番聞いてほしい人が寝てるなんて」


めぐみはそっと、昴の上にかぶさり寝顔を

眺めていた。すると、昴が目を覚ました。


「何をしてる?」

「あんたの寝顔を見てたのよ」

「授業をサボってか?」

「今は昼休みだから良いのよ」

「もう昼休みか。なんだ?」

「今日、全校集会で私ライブしたのにあなたがいないなんて」

「悪いな。あぁ言うのは嫌いなんだ。人が

集まる所はな」

「それは、わかってるけど」


めぐみは少し悲しそうな表情をしながら

昴を見つめる。すると、昴がめぐみの

口の中に指を入れた。


「ウン!?」

「そんな顔するな。それと、いい加減どけ!」

「アン!いきなり指入れないで。しかも

舌をなでてくるし。まぁちょっと気持ち

良かったけど」

「何か言ったか?」

「な、何も言ってないわよバカ!」


めぐみは最後小さい声でつぶやいた。恥ずかしかったのか、そのまま屋上を出たが

途中で、自分の口の中に指を入れた。


「あいつの指が私の中に」


これいこう、めぐみはより昴を意識する

様になった。

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