第5話 チーム霧島にめぐみが仲間に加わった!

午後、昴のクラスは体育の授業をしていた。

さすがに午後なので昴も参加している。


体育館でバスケットをしていた。他のクラス

との試合で、三組は負けていた。次に試合を

するグループが呼ばれた。


「三組、チーム霧島」

「・・・おい、変な名前をつけるな先生」

「なんだ?お前が決めたんじゃないのか?」


体育教師の大原さえこが紙を取り出し

昴に見せる。当然、昴は書いていない。


「宮田、お前か?」

「ああそうだ!ぐはっ!」


昴は突っ込みという名の攻撃をした。


「勝手に決めてんじゃねぇ」

「悪い悪い」


宮田勇也(みやたゆうや)ダメージを受けた。

彼は昴に最初に話しかけた男子で誰とでも

仲良くなろうとする性格だ。容姿も悪く

ない。


「良い名前だと思うけど」

「私も」

「そうね」


女子三人がやって来た。相原凛(あいはらりん)と中川洋子(なかがわようこ)に進藤深雪(しんどうみゆき)だ。彼女達も昴と一緒に

いるメンバーで、凛はクールでカッコいい女子系で、洋子は可愛い系だが、三人では

一番スタイルが良い。深雪は一番賢く

長い髪で美人系だ。


この五人が昴と一緒にいるメンバーなので

クラスの中ではチーム霧島と呼ばれて

いる。


当然、昴は承諾してない。勝手に勇也達が

集まってるだけだが、昴も完全に無視を

しているわけではなかった。


それを見ていためぐみは別の女子に聞いていた。


「チーム霧島、私も入れるかしら?」

「良いと思うよ。まぁ宮田君達が勝手に

集まってるだけだから。でも、霧島君も

嫌じゃないと思うからね」


その昴達が試合を始めた。宮田達は普通の

運動力だが、昴だけは別次元だ。

背も高いのもあり、簡単にダンクを決めたり

どここらでもシュートすれば入る。

相手のチームにはバスケ部がいるのに

快勝した。


放課後、昴はバイトに行くがやはり勇也達が

ついてきて、そこにめぐみめ加わった。


バイト先につき、めぐみ達を案内してから

仕事に入る。


「じゃあ皆、霧島君の事を知ったうえで

仲良くなろうとしてるのね」

「あぁ正直、話しを聞かされた時は衝撃

だったぜ。今まで自分は普通にして来た

からな」

「そうね。それが当たり前だと思ってたし」

「でも」

「ええ、彼は誰よりも辛い人生を歩いて

来てしまってる。だったら、私達で彼を

楽しくさせれればって思ったの」

「まだ、完全には打ち解けてないけどな!

でも、最初に比べれば良くなったよな」

「うん。最初は本当に相手にされてなかったからね」

「今はちゃんと話しかけても返事してくれるしね」

「やっと近くになれたかなって感じかな」


めぐみは真剣に勇也達の話しを聞いた。

今は自分も同じ様に昴を楽しませたいと

思っている。今までは自分だけが楽しめ

たらいいとしか思ってなかったが、昴の

事を知って本気で何かしてあげようと

思える様になった。


めぐみはこれからは自分も勇也達と一緒に

昴を楽しませたいと話し、めぐみも

チーム霧島に加わった。料理を持ってきた

昴にその事を話すめぐみ。昴は表情を

かえず勝手にしなと言った。


それからめぐみも学園にいる時は勇也達と

一緒に昴と行動をする事になった。


ある日、めぐみはチーム霧島を自分の家に

遊びに来ないかと誘った。めぐみは自分から

誰かを家に誘うのは初めてだった。


有名人と言う事もあったが、本当に友達と

呼べるのがいなかったのもあったからだ。


放課後、昴は強引にめぐみに連れら、しかたなく勇也達と一緒に行く事になった。

その移動は当然車で、学園の前にリムジンが

やってきた。勇也達は当たり前に驚くが

昴は動じない。


車に乗り、少ししてめぐみの家についた。

そこは言うまでもなく、お金持ちの

豪邸だ。車から下りた勇也達は呆然と

立ち尽くしている中、昴は帰ろうとしていた。


「帰る」

「ダメ!ここまで来たんだから私の部屋に

来て!ちゃんと食事もだすから」


しかたなく昴は一緒に行った。中に入ると

やはり、金持ちの家、メイドや執事達が

出迎えていた。


めぐみに連れられ部屋に向かうが、その間だも、勇也達は驚いてばかりだった。


「ここが私の部屋よ」


ドアを開け中に入る。そこはいかにも

お嬢様の部屋だった。


「広い」

「うちのリビング以上かも」

「さすがお嬢様だ」


皆感心する中、昴は普通に椅子に座った。

それから、めぐみは勇也や凛達の事を

聞いたり、ゲームをしながら、遊んだ。

昴は勇也と格ゲーをし、当然、勇也に

圧勝する。


ゲームを終えた昴は部屋にあったピアノに

向かう。


「霧島君、ピアノ弾けるの?」

「さぁな。不適当に弾くだけだ」


そう言って昴はピアノを弾き始めた。

話しをしていた凛達も、音に気づき

昴を見る。


昴は演奏を続ける。それはバラードな感じで

めぐみ達は驚いきながらも、聞いていた。


弾き終わると昴はめぐみ達から拍手され

ほめられた。

それからめぐみに家の中を案内され

食事をしに、その部屋に向かった。


そこにはすでに誰かがいた。


「お母様」

「めぐみ、その子達は?」

「私のクラスメイトよ」

「そう。初めまして、めぐみの母の篠宮美香です」


挨拶をされ、勇也達もする。男子の勇也は

普通に美人な女性だと思ったが、昴は

何も思わず返事もしなかった。普通なら

美人なうえに豊満な胸、スタイルのよさ

に興奮するが昴はしない。


一応めぐみが紹介し、それから食事をした。

そうして夜になり、昴達は一人ずつ

車で送ってもらう事になった。


昴は自分で帰ると言ったがめぐみが

強引に車に乗せた。


「霧島君、また来てね」

「断る。俺を呼びたいなら、普通の飯を

用意するんだな」


ドアを閉め、車が動く。めぐみは見えなく

なるまでそこにいた。


そうして昴は自分の部屋に戻って来た。


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