第25話(要塞)
ゼノはマップを見ながら要塞に向かう。沼地を抜け、高台を登ると広大な土地に巨大な建物があった。要塞だ。鉄壁の守り。高台からジップラインで渡れるようだ。ゼノは滑車に付いてるハンドグリップを握り、高台を飛ぶ。シャー! とワイヤーを滑車が走る。ゼノは下を見ると100メートルほどの高さがある。
「ヒャッハー! 楽しいー!」
ゼノは思わず声が漏れた。風を感じ、純粋に楽しいからだ。数分で要塞の高層階に着く。ゼノは、サバイバルナイフを装備して、指令室に入る。ブリッジだ。ゼノは、元リンキルのキラーティーを探す。ブリッジは何やらバタバタしてるようだ。
「レッドチームの戦闘機が編隊を組み、向かってきます」
「対空砲火準備。2度と要塞を落とさせるなよ」
ゼノはあわてふためくオペレーター達を掻き分けて、キラーティーを探す。すると、連邦軍のアバターの奴に声を掛けられた。
「おい、お前!」
「俺?」
「一般兵の奴がブリッジで何をしている」
「キラーティーって奴を探してる。どこだ」
「キラーティー様に何の用だ?」
「ちょっと世間話を」
「ほう。サバイバルナイフを持ってか?」
「ちと野暮用でな」
「スパイだな?」
「俺はブルーチームだよ。大丈夫。で、どこにいる?」
その時だった。要塞を戦闘機が空爆した。ゴゴゴゴーー! と要塞が揺れる。司令長官が激を飛ばす。
「対空砲火はどうなっている!? 機関銃で撃ち落とせ!」
「無理です! 数が多すぎます!」
「こんな時に、キラーティーは何をやってる!?」
ゼノは、見つけた。キラーティーがブリッジに入ってきた。早速声を掛ける。
「お前がキラーティー。元リンキルだな?」
「そうだけど。なんか用?」
「人を殺した事はあるか?」
ゼノは見逃さなかった。キラーティーが動揺しているのを。
「悪い。ログアウトする」
「待て!」
フワッと、キラーティーのアバターが消えた。
「おい、お前!」
「俺?」
「そうだ。機関銃対空砲火班に加われ。戦闘機を撃ち落としてこい」
「面倒だが、要塞にはまだ用がある。やるよ」
ゼノは、キラーティーが司令官である以上、要塞にまたログインすると考えた。
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