最高の瞬間

残らせた試合が後5試合。ローマ戦、ナポリ戦、ラツィオ戦、ヴェローナ戦、カリアリ戦だ。厳しい相手だ。

 記者に時より試合では何が重要かと聞かれる。その時に答える答えは一つだ。それは「結果が全てだ」と。個人の実力、チームの団結力などではない。結局は結果だ。個人の実力、団結力も勿論大事だ。しかし結局は結果だ。勝たないと意味をなさない。それがサッカー、スポーツの摂理だ。この言葉はベンゲル監督が発言した言葉だ。その言葉に俺も同意見だ。そして明日はローマ戦だ。今回はこっちがホームだ。負けるはずがない!総意気込み就寝した。

 ざわざわと賑わっているスタジアム。スタジアムにはサポーター達が待っている。試合の勝利を見るために。そこに俺達は入場した。おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!と歓声が湧く。ホームの利だ。ローマ相手にはプレッシャーに。

 キックオフ。ローマの大型FWアルジェロからリュデンへ。そこからジェコへ。そしてロングパス!しかしそこをヘルメスがディフェンスをする。そしてシウエルへ。そこで俺へのパス!そしてミドルシュート!決まった!前半2分。早々と得点が決まった。まずは1点!前半2分に決められたローマは唖然としサポーターも唖然とする。ボールが蹴られる。そしてパス。パス。パス。そしてロングパス。そしてドリブル。シザース!そして…クロスを上げられ、ジェコがヘディング。しかしこれは枠には行かない!よし!小さくガッツポーズをする。ゴールキーパーからボールが蹴られる。蹴られたボールはラースに向かいラースがトラップ…するかと思った。しかし…美しい弧を描くようなパスがダイレクトパスとして俺の元へ。そしてシウエルへ裏抜けパスを。そしてそこからシュート!決まった!見たか!前半30分に決まった。2点目だ!そして…前半が終わった。

「よし、いいぞ!その調子だ!いいか?ローマは後半は攻撃的になるだろう。だからこちらは守備的に行く。そしてボールを取ったら勿論カウンターだ!いいか!後半は4-2-3-1でいく!」

 監督の指示を受け後半が始まった。俺は珍しく右サイドハーフで起用された。シウエルはトップ下だ。前線はミルカー(前半はボランチだった)を下げタールを上げた。このことにより守備意識をさらに出来るようになった。そしてローマはトリノの守備に苦戦した。ボールを取られればカウンターでゴールへ。かといって攻めなければ負ける。さらにDFラインには大型DFが待ち受けている。完璧な守備だ。そして試合には勝利。続くナポリ戦もなんとか勝利。ラツィオ戦、ヴェローナ戦も勝利。残すはカリアリ戦。相手には今冬にリヴァプールから移籍してきたオリギがいる。彼はカリアリで得点マシーンとかしている。彼と戦うことが実に楽しみだ。残すはカリアリ戦この試合でトリノがCLに出場出来るかかかっている。

 敵のホーム地Sardegna Arenaサルディーニャアレナ。歴史のあるスタジアムだ。そのスタジアムのピッチに俺は足を運びたった。カリアリサポーターからのカリアリのホームカラーの発煙筒。トリノからは多大なプレッシャーになる。そして笛が鳴る。いつも通りに。

 シウエルは俺へとパスを出す。そしめラーへ。そして…シウエル。そしてロングパスでランクルへ。そして…俺へと…そしてシュート!しかし枠には入らなかった。くそ!しかしまだ機会チャンスはまだある。次決めればいい。しかし…キーパーから蹴られたボールはへランチへ。そして…オリギへ。そしてシュートを放った。そして…決まってしまった。カリアリサポーターからの大歓声。ここがトリノのホーム地なら最高の気分だ。しかし今トリノは最悪の雰囲気にある。前半18分のことだった。しかし…チャンスを掴めとれず前半は終了した。

「いいか!後半は攻撃的にいく!ポジションは3-1-3-3だ!」

 超攻撃的だ。3バック。守りを捨てる。しかしまだ早すぎるのではないか?そう疑問に思う。

後半の笛が鳴る。前半19分。シウエルから俺へ。そしてラーへ。ラーからシウエル。シウエルからラー。ラーから俺へ。この3人でのパスサッカー。行ける!確信した。そしてラーへボールが渡りゴール!よし!見たか!

すぐにボールを取る。カリアリはいつもどおりに戦う。しかし時間がかかるにつれカリアリも焦る。後半36分。相手のミス。シウエルが隙をつきボールを奪い取る。そして俺へとパスをしダイレクトシュート!入る!確信した。そして…ゴール!!!よっしゃ!という気持ちを抑えきれない。マイクを持ち歌うパフォーマンスをした。最高の気分だ!この試合が終わったらチームメイトとカラオケに行こう。そう思った。そして…試合終了。少ないトリノサポーターからの歓声。恐らくトリノのバーでは歓声で賑わっているだろう。そして俺達は選手同士で抱き合う。最高だ!CLに出れるんだ。最高の瞬間だ!そして来シーズン。CLという大きな舞台に足を立ち入れる。待ってろ!世界!世界No.1を目指してやる!と意気込む。その晩だけはトリノは眠らない街へと変貌した。






 

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