要塞アンフィールド

俺達はバルセロナに負けた後シティ戦、パリサンジェルマン戦になんとか勝利した。奇跡に近い。












「小野がシティ相手に決めたぁぁぁぁ!!」現地のファンが湧く。後半終了間際だった。感情を爆発させ監督とハグを交わす。

 「フェルトマン!!!またしても後半終了間際!やってくれた!」

フェルトマンも感情を爆発させる。グループステージを突破した。なんとしてもシーズンマッチでの試合で優勝をしたい。

















監督に呼ばれ皆が集まる。

「次の試合の対戦相手が決まった。相手はリヴァプールだ。アンフィールドで行われる。」

アンフィールド…それを聞いただけで吐き気がする。カンプノウよりも行きたくない場所…世界一行きたくないスタジアムだ。リヴァプールアンフィールドでの試合は2016-2017シーズンクリスタパレス戦でのホームでの負けを最後にホームでは負けていない。まさしく要塞と呼ぶに相応しいスタジアムであった。アンフィールドで歌われるサポーター達のYou"ll never walk alon 通称'YNWA'はリヴァプールの選手達を活気づけ時には勇気を与えるチャントだ。

「試合日程は来週の月曜日だ。しっかりコンディションを整えてくれ。以上だ」





「次の対戦相手はリヴァプールです。しかもアウェイでの対戦ですがどう考えていますか?」

「リヴァプールは現状世界一強いチームといっても過言ではない。昨シーズンのリヴァプールは一度も負けていない。異例の強さを見せつけて来た。しかし我々も負けていない。アウェイだようが関係ないさ」

「ありがとうございます。では今回の試合のキーマンは誰だと思いますか?」

「キーマンは小野です。彼に一番の期待を託した」

「そうですか、小野選手には期待出来そうです。ではリヴァプールで一番の驚異的な選手は誰ですか?」

「難しい質問だね、全員が驚異的だから決めにくいがしいていうならアレクサンダーアーノルドだ。彼は驚異的なアシスト数を誇るサイドバックだ。彼の正確なクロスには気をつけていきたいね」

「そうですか、最後の質問ですがアンフィールドでどのような戦い方をしますか?」

「アンフィールドの戦い方?それはリヴァプールの選手達よりも連携を取ることだ。決して協力的ではない。連携と協力これには異なる意味を持つ。連携とは一人ひとりの意思が同じになり芸術的なサッカーが出来る。協力となると意思とは関係なく荒っぽいサッカーになると思うのだ。だから彼らが連携というサッカーをやれ!と指示した。意思を同じにしろ!ピッチに立って意思を繋げろ!とね。すると不思議な事に彼らは活性化し期待以上のプレイを見せる。だから俺達はいつもの姿で戦うだけだ」

「ありがとうございます。ではいい試合を」













要塞アンフィールド。スタジアムにはYNWAが響く。サポーターの歌うYNWAはUEFA通称ヨーロッパチャンピオンカップでのアンセムを打ち消すほどに響く。アンフィールドに立ち入りYNWAを聞くとプレッシャーにより思うようなプレイが出来なくなる。それは崖っぷちに追い詰められた瀕死の狼のように。

試合の笛が鳴る。フィルミーノからワイナルダムへ。そこからファビーニョ、ヘンダーソン、そしてアーノルドへ。そして正確なクロス。そしてフィルミーノが合わせゴールラインへ…しかしラリーが止める。ナイス!と心の中で思う。そしてカウンターを始める。そしてボールは小野へ。そして強烈なミドルを打ちアンフィールドのゴールをリヴァプールの最後の砦、アリソンからゴールを奪い取った。

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