SS⑨:恋人プランだから、……いいよね? byサブカル女子
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※『お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。』4巻を購入された方は、こっちのSSは後回しにしたほうが楽しめるかも?
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文化祭の休憩時間。独りで休憩する予定が、
さらに
メイド服の美少女と一緒に歩けば、すれ違う人々の注目度が半端ない。
「アイツの彼女可愛すぎだろ!? どんだけ徳積んだら付き合えんだよ!」
「いやいやいや! 徳積むタイプの奴が、あんな冷めた顔面なわけねーだろ!」
「きっと悪魔と契約したんだ! 『感情を対価に美少女メイドと付き合わせてください』って!」
「いいなぁ……。オレも寿命半分捧げるから、メイドさんと結婚してぇ……」
悪魔様、アイツらの寿命全部あげるから、俺に
羽鳥としては、やはり申し訳なさを感じているようで、
「ごめんね? 私のせいで姫宮まで注目されちゃって。その……、こ、恋人にまで見られちゃって……」
「別に羽鳥のせいじゃないだろ。そんなこと言ったら、俺のほうが羽鳥に迷惑を掛けてることになるし」
俺の言葉に対し、「全然迷惑じゃない!」と羽鳥は力強く否定してくれる。
そして、顔を赤くさせてまで言葉を紡ぎ続けてくれる。
「私としては、嬉しいというか、……役得というか……、一生の思い出になったというか……。と、とにかく! 今、すっごく幸せ! ……です」
何だろうな。今日、俺は死ぬのだろうか。
俺は本当に悪魔と契約しているのかもしれない。というか、目の前でデレる羽鳥が、メイド服を被ったサキュバス的な存在にさえ見えてくる。
最後の思い出的な?
「そこのアツアツなお二人さん!」と、見覚えのある人物に話しかけられてしまう。
確かカメラ撮影同好会の人だ。
「文化祭デートの思い出に2ショット写真いかがっすか!」
「ほあ」「デート!?」
部員の指差すチラシを見てみれば、『思い出は忘れてしまうもの。だから写真に残そう』という身もフタもないキャッチコピーがデカデカと印字されていた。
こんなチラシを見せられて、誰が撮影したいと思うのだろうか。
「写真……。いいなぁ」
いましたよ目の前に。
「羽鳥。思い出はいつだって心の中――、「2名様ご来店――――っ!!!」」
おい部員。人が折角、ありがたい言葉を送ろうとしてんだから邪魔すんじゃねぇ。
半ば強引に連れて行かれた先は、当然、カメラ同好会の部室。
C級キャッチコピーのくせに、撮影環境はしっかり整っているのが腹立つ。
「どんなシチュエーションも再現できまっせ」と言わんばかりに、プロジェクターや巨大スクリーンまで用意しているのが一層腹立だしい。
2人して撮影場所に立たされれば、スタンバイしていたカメラマンが高々に宣言する。
「恋人プランで撮影していきまーす!」
「……あ?」「恋人プラン!?」
俺らの愕然とした表情もお構いなし。「お二人さーん! もっと寄って寄って!」と恋人前提でパシャリ始める。
「こ、恋人プランだから!」
俺にじゃなくて、自分に言い聞かせてね……?
何を血迷ったか。羽鳥が俺らの隙間を埋めるべく大きく詰め寄ってくる。
肩と肩、手と手が触れ合うくらいの距離になれば、「ナイス彼女さん!」とカメラマンもさらにノリノリ。
「そのまま恋人握りしちゃいましょー!」と言われれば、
「恋人プランだから!」
羽鳥さん、俺の手をガッツリ恋人握り。
「お次は腕を組んじゃいましょー!」と言われれば、
「恋人っ! 恋人プランっ!」
羽鳥さん、俺の腕にガッツリ高密着。
突如、背後のスクリーンに、教会が映し出される。
そして、
「最後にハグしちゃいましょー!」
「こ、恋人プランだからっ! …………。~~~~~~っ!!! やっぱり恥ずかしい! 未だできない!」
何その、いずれはハグしてくれそうな発言。
顔を抑え大赤面する羽鳥と、苦笑う俺の表情もバッチリ撮影されてしまう。
変な思い出まで写真に残そうとするんじゃねえ。
写真など不要なくらい、鮮明な思い出が胸に刻まれましたとさ。
めでたしめでたし?
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【お知らせ】
4巻発売記念として、12/20(金)・12/21(土)・12/22(日)は毎日20時頃更新!
また、新作ラブコメの投稿も開始しました。
商業を意識せず、伸び伸び書いていくつもりなので、一度目を通していただければ幸いです( ◔ ౪◔)
「仔犬系の後輩ちゃん、ただただ健気で可愛いよね」っていう話。
おひとり様と新作ラブコメのコラボSSも公開中ですので、そちらも是非是非!
新作はコチラから↓↓↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893179985
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