第17話 画像
僕と智也はふたりに「ちょっと待ってて」と伝えその場所から外す。そして
「優、どうする? 」
「ん? どうするって? 」
「やめとくか? 」
僕が参加するのを気遣ってくれたのかそう言ってくれる智也。
「まあ僕のこと分かってないし良いよ。それにもうなんとも思ってないからさ」
だから僕は問題ないと智也に応えた。
「そうか? ごめんな。まさか俺も寧々の友達があの娘とは思わなかったよ」
「そりゃね。ほんとどこでどんな繋がりがあるのかわからないもんだね」
と僕は智也の意見に同意した。
「なら優は隠したまま参加するってことでいいのかな? 寧々はお前とあの娘の関係知らないはずだし」
「うん。知られたら面倒くさいし居心地悪いし……いいことないしね」
と話を終えた後ふたりの元へと戻ることにした。
「おまたせ」
智也がそうふたりに声をかけると
「ん? なにかあったの? まあ終わったなら良いかな? えっとこの娘が私の友達
と山崎さんが言った。その後に
「はじめまして。遠藤 遥です。今日はよろしくお願いします」
と遠藤さんから挨拶をされた。そう僕は今この時初めて彼女の名前を知ったのだった。一目惚れの彼女の名前が遠藤 遥ということを。
僕と智也も遠藤さんに挨拶をした後、山崎さんからまずは喫茶店でも行こうかと話が出た。まだ会ったばかりで話もろくにできていないからと。僕たちも了承しまずは喫茶店へと向かっていった。
喫茶店に入りそれぞれ注文をする。
それから4人での会話になるのだがはっきり言えば僕は話しづらい。というより遠藤さんと話す会話なんて思いつかないと言ったほうが良いか。だから僕は3人が話す会話を聞いているという感じになる。
そして話の内容はやはり遠藤さんが落ちこんでいることがメインとなる。内容は彼氏が浮気しているかもしれないということだった。ぶっちゃけ僕はあの彼氏ならありえるなとしか思わなかったのだが、遠藤さんが持っているあるものを見せられると僕は困惑してしまった。
遠藤さんはたまたま見た彼氏とその女性を撮った画像を持っていた。それを見せられると僕は固まってしまった。だってその相手はマドだったのだから。けれど落ち着いて考えれば教師をしているのだから一緒にいることなんてあるだろうと考え直す。
それに僕はマドの彼氏でもないのだから誰と会っていようと何も言えないんだと心を押し止める。
けれどやっぱり落ち着かない僕は「トイレに行ってくる」と言って席を外すことにした。
トイレに着くと僕はとにかく顔を洗った。頭をしゃきっとさせたかったからだ。どうも遠藤さんの彼氏のことになると僕は駄目になる。多分マドが他の男と一緒に居たのならここまでなっていないだろうと僕は思う。それを思うと相当遠藤さんの彼氏を嫌っているんだなって……。
それにまたお前は僕が大事にしているものを持っていくのかという嫉妬ももしかしてあるのかもと思ってしまう。
どちらにしても落ち着いてから戻らなきゃとなんとか心を落ち着けようとする。マドのことを頭の片隅にやろうとする。
それでもどうしてこうもあのふたりは僕の周りに関わってくるのかと……僕はなかなか落ち着くことができずただ時間が刻々と過ぎていくのだった。
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