第6話
彼を察したつもりで、
「ずっとファンだったんです。」
結構前からずっとー
「〝避ける〝なんて
とんでもないです。」
私の行動は故意ではなく、
他意もないと
彼に伝えたかった。
彼は驚いた顔をした。
それに私も驚き返す。
え?何で驚くの!?
その答えは簡単で、
「ファン?…」
「はい。ファンです」
「いつから?」
「デビュー当時から…です」
私の返答に頭を抱えてしまった彼。
彼の中にあったポリシーー
「ファンには手を出さないって
決めていたのに」
って。
「…すみません…」
私は何に謝るべきなんだろう。
ファンなこと?
ファンなのに
関係をもったこと?
彼のポリシーを
崩してしまったこと?
なんだろう
あんまり途方にくれている
様子だから見かねて
「ファンじゃなかったことに
します…」
で、どうでしょうか…?
一瞬顔を上げて
また頭を抱えた
違う…か
あー…もういっそ
「ファンやめます!
だから、なかったことに」
私のせいで
彼のポリシーを
崩してしまったなんて、
ずっとずっとファンだった身としては
居た堪れない。
この先ずっと
彼を見るたび
私のせいで
私のせいで
私のせいで…
なんて思わなきゃ行けないなんて
辛すぎる
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