第4話 恋せよ少年

 琴梨に手を降った後、俺は走り出した。

 全力で。


 ああああああああああっ!

 言ってしまったぞ俺!

 琴梨って!

 自然だったよな? 変じゃなかったよな?

 いやでも俺、もう琴梨の彼氏だし全然おかしくないよな!




 それにしても、なぜ琴梨は俺のことを好きになったのだろう。


 帰宅して少し落ち着いた俺だが、やはりまだ琴梨で頭がいっぱいだった。いきなりの告白に嬉しすぎてOKしたけれど、これまで琴梨と俺は特に親しい関係ではなかった。「おはよう」の挨拶すらしたことあるかどうか分からないクラスメート。

 もしかして……。

 琴梨は今まで、ずっと俺を見ていたのか?

 前から俺のことが好きだったけれど、内気だから見ているだけしかできなかったとか!

 そうだ、きっとそのパターンだ。

 何それかわいいだろ!

 あと密かに俺のことをソラきゅんって呼んでいたのも、かわいい!


「はぁ~……」


 勇気を出して俺に「好き」と言ってくれた琴梨が、かわいくてかわいくて俺はどうにかなりそうだ。

 今まで色恋沙汰とは無縁だったから全然分からなかったけど……。

 恋って、すごく楽しい。


「……よし!」


 うっかりしていて聞きそびれた琴梨の連絡先を、明日は絶対に教えてもらおう。決意してから、俺は宿題を始めた。

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