第3話 核戦争



 「速報です。ロシアが、世界各国に核ミサイルを飛ばす準備を開始した模様です。日本への着弾は、時間の問題です。装備をしっかりとして地下に避難してください。繰り返します。・・・」


 もう耳を疑う猶予など無い。これが現実なのだ。と言っても、近くに地下に避難できるような場所がない。


 いや、一つだけあった。それは、ここに引越してからの友人が引越しの挨拶の時に言っていた事だ。



 「うちの地下には核シェルターあるから、その時になったら家族連れてうちに来なよ。話し相手は1人でも多い方が良いだろ?」と。



 私と家族は、そんな変わった友人の核シェルターに入れてもらうことにした。友人の江上典義えがみのりよしは、快く受け入れてくれた。


 しかし、彼がなぜ核シェルターを持っていたかは謎だ。


 江上は、親切に貴重な食料を分けてくれた。


 私たちは、一口一口味わい、大事に食べた。



 ここで私は悟った。WGの言った本当の意味を。

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