第9話 「どんな主人公が読者に受けるのか?」⑨


 てなわけで、明日も早いのでもうすぐ寝なくちゃならない時間にもかかわらずこれを書いております。


 私事ですが、忙しい時間の合間を縫ってまで筋トレに行って、それから家に帰って拙作の小説の毎日更新を書きつつ、このネタを書く。これぞ至福、これぞ我が快感……。


 ※※※


 と言うわけでして、今回のお題は〝主人公の役割〟を語ってみようかと思います。


 これを読んでいる方なら、大体は察しの付く所なのでしょうが、それでも時々、

「それ違うんじゃない?」

 みたいな物語に出会ってしまうことがあります。


 そう、主人公の役割って、みなさん考えたことあります?


 例えて言うなら、ミステリーの主人公なら、大抵は事件を解決する為の役割をもって動いているってなかんじ。


 僕が書いているSF冒険活劇(※戦記)なら、主人公は、その戦争や冒険の渦中で目的を見つけ、大義の為に戦ったり、試行錯誤したりして生き延びて行ったりします。


 恋愛ものなら、何らかの恋愛模様に関わって、付き合ったりはなれたり、時にはイチャイチャしたり、別れたり。


 そんな役割をもって、観客を引き込んで行くのが主人公の役目。


 たまには、単なる視点の役割として、他の派手なメインキャラの狂言回し的な役目だけを追う作品も無くはないですが。


 例えて言うなら、まんがで解説する本のストーリーの主役であったり。


 ※※※


 そう言えば、話は変わるのですが、あの有名な〝ルパン三世 カリオストロの城〟って話があるじゃないですか。


 あの話のラストシーンって有名ですよね。そう、ヒロインのクラリスとの別れのシーン。


 あの元となった映画って知ってます?


 いやあ、多分公式にそんなことは言っていないでしょうが、僕が個人的にそう思う映画があるんです。


 それは、

多羅尾伴内たらおばんない

 という、終戦直後に創られた探偵ものなのです。


 そう、あのピンクレディーの大ヒット曲〝ウォンデッド〟という歌詞にもあるように、

「あるときは片目の運転手、またある時は……」

 で有名なアレです。


 ※※※


 終戦直後に日本を統治していたGHQの策謀によって、当時はチャンバラ時代劇を作ることも上映することも禁止されていました。


 そこで企画されたのが、探偵『多羅尾伴内』なのです。


 その多羅尾伴内という探偵を演じているのが、押しも押されもせぬ時代劇俳優の片岡千恵蔵大先生なわけで。


 しかし、多羅尾伴内探偵は、見た目はうだつの上がらなそうなおじさんなわけですが、実はかつては世間を騒がせた怪盗紳士〝藤村大蔵〟というわけです。


 はい、みなさんもうお気づきだとは思いますが、この多羅尾伴内は、怪盗ルパンをモチーフに作られていますよね。


 そして、その怪盗ルパンをモチーフにした多羅尾伴内を、宮崎駿がルパン三世にインスパイヤしている。


 無論、元々原作にあったルパン三世は、もっとハードボイルドでニヒリズムとエロチシズムに溢れてはおりましたが。

 しかし、あのオタク気質な宮崎駿監督の手に掛かれば、〝理想の女性〟と〝ロマンチックな展開〟に溢れた別の作風に早変わり。


 ※※※


 てなわけで、どちらが良いかなんて野暮ったい話は置いといて、創作物にはそんなインスパイアの変遷ってなものがあるのですよ。


 ほら、チャールズ・ブロンソンの映画に影響を受けて、武論尊というペンネームを付けた北斗の拳の原作者さんだっておられるじゃないですか。


 次回は、そんな話でもしてみましょうかね。


つづく



 

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