第7話 「どんな主人公が読者に受けるのか?」⑦
ここで、僕が個人的に影響を受けた主人公像をご紹介いたします。
と言うか、かなりたくさんあり過ぎて紹介し切れないのですが、中でもかなりの憧れを抱くキャラクターなのが、出崎統監督の【アニメ宝島】のもう一人の主人公、〝ジョン・シルバー〟なんです。
まあ、これは僕らの世代なら知る人ぞ知る名作中の名作なので、かなり共感を覚える方もおられるでしょう。しかし、実際にこのキャラクターの上を行く〝男の中の男〟は、そうそう居ないでしょう。
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この作品は、小説【宝島】を原作に、あの巨匠〝出崎統〟監督が演出を務めた物語です。
その中で出て来るジョン・シルバーは、原作とは少し毛色が違い、男が男として生きて行く理想の姿の一つを描いているわけなのです。
(※まあ、拙作の【真次元ヴェルデムンド・クロニクル】の主人公、羽間正太郎は、そのジョン・シルバー的な部分を持った僕の中の理想を描いているわけでして)
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その【アニメ宝島】に登場するジョン・シルバーと言えば、
一、大柄で非常に身体つきが良い。しかし、片足をひざ下から無くし、いつも松葉づえを付いて居る。
二、いつも豪快に笑う。しかし中身は冷静沈着。野心と希望に溢れた眼差しをしている。渋い声が特徴。
三、かなり容姿端麗な妻が居る。彼女は南方の港町で彼の帰りを首を長くして待っている。
四、航海士としても優秀であり、過去にはイギリス海軍に属していた。
五、行動力だけでなく、頭の方もとても切れる。度々、言葉巧みに敵味方を術中に引き込ませてしまうことがある。
などなど、まあ現実的にはかなり稀な存在であることは確か。
だけど、これこそがエンターテイメントの主人公なんですね。
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その大きな背中を追って行くジム・ホーキンス少年は、正に少年時代の僕らの視点そのもの。
以前、北斗の拳のケンシロウの背中を追っていたバット少年こそが、少年ジャンプを毎週読んでいた僕らの視点だと、十年前にとある場所で書いて居たりしました。が、まあ、そういう読者視点となるキャラクターも大事なんですよね。
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その【アニメ宝島】の脇を固めるキャラクターも大事。
だって、ジョン・シルバーだけが一人だけ突飛出てしまっていては物語がつまらなくなってしまう。
そうそう。同じ出崎監督作品で、【スペースコブラ】がありましたが、そこでも主人公コブラは、今でいうチートに近い能力を有しています。
だけど、そのライバルとなるクリスタルボーイの存在は、かなりエグいほどの凶悪な強さがあるだけに、その対決と言葉のやり取りは心に残るものがありますね。
つづく
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