第5話 「どんな主人公が読者にうけるのか?」⑤
勿論、これを読まれている方で、ガンダムを見たことがない人はいないでしょう? いや、いるかな?
まあ、どちらにしても、あのガンダムの主人公アムロ・レイという少年は、かなりの機械オタクとして周囲から認知されるほどの【内向き少年】という設定でした。
今はそれほど珍しいことではありませんが、あの当時のアニメとしてはかなり画期的で斬新な主人公であることは否めません。
しかし、そのアムロ少年も、沢山の人と出会い、沢山のライバルと戦って行くうちに、次第に比類なき【外向きな力を持った少年】へと成長して行きます。
きっと企画側は、そういった部分を意図して設定したんでしょうね。
※※※
その後、装甲騎兵ボトムズの主人公、キリコ・キュービィーのような無口を絵に描いたキャラクターが出てきたり、その何十年後には、エヴァンゲリオンの碇シンジのような、【天性の内向き陰キャラ】が出てきたりしましたが、昭和の少年少女を成長させる意図を持った創作物には、そういったキャラクター造形はきっと【邪道】だったんでしょうね。
※※※
だから、創作する側としては、
【誰に読ますのか?】
【どういう意図を持って主人公を動かすのか?】
【主人公は、物語の中でどういう役割をするのか?】
などを考えないと、迷走する種になってしまうのだと思います。
それには、【作者自身の意図するもの】は必要になってきます。
つづく
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