第23話 コーヒーの苦さと共に②
ボスに誘導され、一行は中に入る。
家から少しした場所にあったのだが、一度も
ここに来た事はない。と言うかこんなお洒落な喫茶店があるなんて知らなかった位だ。
「随分シックな感じね」
「そうだな」
せいか同様、僕もそう思う。
外見はこじんまりとしてて邪魔にならない
造りになったいるのだが、店内は想像以上に
広かった。
右側にカウンター席、他の席は等間隔に配置されていてバランスが良い店内だった。
カウンターの後ろには壁一面コーヒー豆が
ずらりと並べてあり、お客さんはそこから
好きなコーヒー豆を選び注文するらしい。
メニュー表にもコーヒー豆の種類は全て
掲示されてるが、実際に見るのも手だろう。
奥の席に案内され僕とせいかは椅子に座る
「さっ、お二人さん。どれにする?初めて
だろうから俺が頼んできてやるよ」
ボスの重い声で現実に引き戻される
「あ…えぇ?何がいいんだ?」
メニュー表を開くも種類が多すぎて選べないそもそもコーヒー豆に詳しくないので非常に困った。
「因みに俺のオススメはケニア産のコーヒー豆だ。初心者でも飲みやすいと思うぞ?
苦味も少ないし、ちょうど良い甘さだしよ。妹ちゃんはどうだ?」
隣に座ってるせいかに声をかけてくれた
「ん~、無難にブルーマウンテンかな」
「おっけ。ブルーマウンテンね」
「僕はボスがオススメしてくださったケニア産のコーヒー豆にします」
「お、了解。勧めた甲斐があったわ。
そんでもって フレデリックの様子はと…」
そう言ってフレデリックをみやるボス。
「今日はブラジル産かな…。あぁ、でもこの間のマンデリンも美味しかったよね。それとも、いっそのこと飲んだことがないのにしようかな?」
カウンター席の前では本気で悩んでる
フレデリックちゃんの姿があった。
「さっぱりしてそうで、結構決めるの時間
かけるタイプなんだよ」
そう僕に耳打ちするボス。確かに意外な一面
である。すぐ決めそうな感じなのに。
暫くするとこちらに戻ってきた。
「苦渋の決断ですが、グアテマラにします」
「了解、んじゃフレデリックも座ってな」
「はい、かしこまりました」
フレデリックちゃんは僕の目の前に座る。
(あぁ、おっぱいでかいなぁ。)
隣の方は貧乳で、高校生にしては発育が
宜しくなかったみたいでかなり無い。
その事を言うと流石の僕でもぶちギレるので
口にしない。一度言ってみたのだが、あの
悲劇はもう繰り返したくない。
「おにいちゃん、目が何か死んでるよ?」
あまりにも絶望的な顔をしていたのかフレデリックちゃんも心配そうに僕を見ていた。
「ん!?いや、別に?死んでなんかいないよ
大丈夫大丈夫。」
せいかが僕の部屋を一瞬にしてゴミ屋敷風にしてしまったのは今でも忘れられない。
あれはマジで怖かった。
____
「誰が貧乳じゃボケェ!!全国民の乳が乏しい方々に謝れぇ!」
「ひぃいぃ!!ごめんなさい、ごめんなさい
!ごめんなさいいい!!」
____
あの時は正座をし過ぎて足が動かなかった
軽く一時間はしてたんじゃないかな。
やべ、チビりそう…。
「よ、お待たせ。頼んできたから少ししたら
来ると思うぞ」
ボスが戻ってきた。助かった…
「さてと、雑談でもするか。」
「ですね。来るまで暇ですし」
そう言って二人はにこやかに並んで僕らに
提案してきた。
「ん、いいね。雑談タイム」
せいかも乗り気なようだ。僕も賛成とする
「だな。何話す?」
「あ!じゃあ、ずっとフレデリックさんに
聞きたかったことあるの!いい?」
我が妹から質問がくるとは思わなかった
のだろう。目をぱちくりさせ、驚きの表情を
していたフレデリックちゃん。可愛い。
「え…あ、はい。大丈夫ですよ?どうぞ
何でも聞いて下さいませ」
「やった。あのね、単刀直入に言うけど
おにいちゃんの事どう思ってるの?」
(………やめてくれ。)
案の定、その手の話をふりやがった。
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